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第30章 不安な気持ち
稜の腕が羚汰に絡みつく。羚汰も、稜の体に腕を回して体を密着させる。

それが合図になって、羚汰はより突き上げを激しくしてゆく。
素早くそして力強く繰り広げられる律動に、稜は必死でしがみつく。
いつにない稜の嬌声が、部屋にこだまする。

「あっああっあぁいっあぁあっ、んぁあっんっんんっ」

ベッドをきしませる音と2人の交わる音が、稜の声によって書き消される。

「ぁああっ...んぁあっ!ぁあっっ!!」

体を勢い良く反らせて稜が果てると、羚汰はゆっくりその体を寝かせてゆく。

体を痙攣させ息を弾ませ稜が仰向けになると、羚汰はその体に密着するようにしてキスを繰り返す。

「稜...。好きだよ」

髪を撫でられて囁かれるその言葉に、稜は涙が滲む。

その事に悟られまいと、手を目のところにもってきて、息を整える。

それから、ゆっくり腰を動かしていた羚汰の腰を両手で引き寄せるようにして、羚汰を正面から見据える。

「どうして欲しいの?...言って?」

羚汰の優しさが体に広がってゆく。

それでもー、今日の稜はいつもとは違った。


「羚汰っ、...んっ、激しく、して?」

「...稜」

「めちゃくちゃに、して?」

「稜が、壊れちゃう、よ?」

「ぁっ、壊れっ、たいのっ。羚汰でっ。お願いっ」

「...わかった」

羚汰は理由を聞かなかった。

羚汰が何かを抱えたときには無理矢理聞き出しておいて、自分はなんて卑怯なんだと思う。

そんな優しさも、稜の胸をしめつける。

羚汰でいっぱいになりたいー。
わけがわからなくなるくらい。

密着していた羚汰の体が離れて、稜の足を持ち上げて肩に引っ掛けるようにする。

「...いくよ」

「んぁあっっ!!!...ああああっ」

稜の体が激しく弓なりになる。
頭の横のシーツや枕を握り締め、激しく悶える。

「ぁああっんっ、はぁあっ、あああっ!」

腰を打ち付ける激しい音が部屋を震わせる。
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