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NEXT 【完結】
第32章 ウワサ その2
それでかー。


驚きもさることながら、妙に納得してしまう自分がいる。

そのぐらい、あの時の羚汰は慌てていた。




そう言われてみると、他にも思い当たる事柄が浮かんでくる。

一番最初に、ウワサで仕入れたことを羚汰に言った時

「どの?」って少し焦ったように聞いてきていた。


それは、この事だったのだろうか。



「...っと。ちょっと、稜、聞いてる?」


「あ、ごめん。...ビックリして」

「だよね...。3年前だから、16、7の時の子になるワケだし。それにね。...その前にも何人も無理矢理おろしたって話よ...」

「...何人、も?」

「ま、何人もってやつは、あくまで噂なんだけど。認知のほうはガチらしいよ。本人、子どもの写真持ってて見せてもらったって子がいるらしい」


写真...。

そんなの持ち歩いているんだ。

って事は、裁判沙汰になったとはいえ、子どものことを気にかけているということだろう。


「稜...。やっぱり、私、やめたほうがいいと思う」

「...千夏」

「久しぶりに稜に彼氏が出来て、応援したい気持ちもあるけど。今回はサスガにやめた方が良いんじゃないかな」

今まで色んな彼氏を作って来て、稜のほうがストップをかけることが多かった。

「私もチャラいのと付き合ったことあるじゃん?やっぱ、チャラい奴は、口でどんなに言ってても結局チャラかったもんね。覚えてるでしょ、稜?」

まだ大学出たての頃に、千夏が付き合った彼氏を思い出す。


相当遊び人で、その分口がうまく、結局千夏は4股だか5股だかいる彼女の一人だった。

ボロボロになってもその彼にしがみつく千夏を、稜がなだめて説得してなんとか別れたが、既に結構貢いでしまっていた。


「だから今回は、私が止める番だと思うの」

「千夏...」


電話口の千夏の声からは、必死な思いが伝わってくる。


「稜、貢いだりとかしてない?なんか買わされたりとか」


それはない。

平日はほぼ毎日お弁当を作っているが、それだって稜が言いだしたことだ。


「家政婦みたいに、なんか家事とか用事やらされたりとかは?」

たまに洗濯物畳んだり、シーツ代えたりはしているけど、そんなに家政婦みたいなことはしたことない。
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