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第32章 ウワサ その2
電話の音で目が覚める。

スマホの画面を見ると、羚汰だ。


かなり長い間取れずにいたが、無視するのも可笑しい。

なんとか平静を装って電話に出る。


「...もしもし」

「遅くなってごめん。もうすぐマンション...なんだけど。その声は寝てた?」

「うん...」

いつもと変わらない羚汰の声。

まさか子どものことが稜に伝わったとは微塵も思っていないだろう。


胸の奥が苦しい。

羚汰の声が胸をしめつける。


「ごめん。ちょっと、体調悪くって、このまま寝たいんだけど...いい?」

「えっ。大丈夫?」

「...うん。すごく眠くって。風邪引きかけてるのかな」


まるっきりの嘘ではない。
さっきまでウトウトとしていたからか、体が重くしんどい。


「ごめんね」

「謝る事ないよ。俺こそごめん。今朝、髪が生乾きだったのにシちゃったからかなぁ」

確かに、あの後少しドライヤーをかけたが、あまり時間がなかったので生乾きなまま出掛けた。

「晩御飯は食べたの?ってか食べれた?」

「うん。大丈夫」

「スグ隣なんだからさ、なんかいるものあったら夜中でも朝方でもいいから言ってね」

「...うん。ありがと」


電話の向こうの優しい声に、胸がじんわりと温かくなる。

何か目的があるとか、そんな風には到底思えない。


「じゃ...おやすみ」

「おやすみ」


電話を切ってまた布団をかぶる。


今日は会うのを回避したが、次会う時どんな顔をすればいいのだろう。


稜と付き会うずっと前、3年も前の出来事だ。

16、7歳の時のことで、結婚するわけにもいかないのもわかる。


だけど。


そうだけど。


私が考えすぎなんだろうか。

認知した子どもの1人や2人、気にする方がオカシイの??



前の、名前をもう忘れてきているが、別居中の彼のことも。

別居中に彼女を作るのは、世間的にOKなのだろうか。


私は、古い考えなのだろうか。

今の常識では、大した問題ではないのだろうか。




考えても考えても答えは出ない。



でも、考えてしまう。



子どもの写真...。


どこに持っているのだろう。


カバンの中?

財布の中??


どうやったら、それを見えるだろうか。


...でも、見てどうする?
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