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NEXT 【完結】
第32章 ウワサ その2
ふとスマホを見ると、『3:13』と見えた。


羚汰が電話してきたのは、12時前だったはずだ。


うつらうつらと考え事をして、寝たのか寝てないのかわからない。


とりあえず明日も仕事だし、眠ろう!


そう思って、固く目をつぶるも、また気が付いたら考えてしまう。


何度か寝返りを打ちながら、眠ろうと試みるも、なぜか眠りにつけない。


また手を伸ばしてスマホを見ると、『4:56』



ダメだ。眠れそうにない。



稜は、しばらく考えたが、スマホを手に取って電話を掛ける。


しばらくコールが続く。


「もしもし!!」

電話の向こうで慌てふためいた様子の羚汰の声がする。


「羚汰...」

「どうした?しんどい?病院行く??」


「ううん。...そっち、行っていい?」

「...っ」

羚汰が電話の向こうで言葉に詰まっている。

「シないよ。ただ、一緒に眠りたいの。...ダメかな?」

「おいで。待ってる」


ガウンを着て、スマホと部屋の鍵だけを持って部屋を出る。


鍵を掛けて、羚汰の部屋の前に差し掛かると、ドアが開いて玄関で羚汰が待っていた。

その胸に飛び込む。



温かいぬくもりと、いつものイイ匂いがして、すごく気持ちがいい。


しばらく玄関で抱き合っていたが、羚汰が口を開く。



「稜、寒いから。ベッド行こ?」


抱き抱えられるようにしてベッドに進み、そのまま布団の中に潜り込む。


「やっぱちょっと熱あるんじゃない?いつもより温かい気がする」

「...ん。そうかな」

羚汰の手が、稜の顔をそっと撫でる。

そう言われたからか、羚汰の手がひんやりとして気持ちがいい


「喉乾いてない?何か飲む?」

「そういえば...」

「わかった。ホットの蜂蜜レモンとかはどう?飲めそう?」

「うん」

「待ってて」


いつものように、オデコに軽くキスをして羚汰がベッドからするりと抜け出る。

羚汰の匂いのする布団にくるまれていると、体の力が抜けてほんわか暖かい。

「...稜?出来たよ」

うとうととしていたらしい。さっきまでどんなに頑張っても眠れなかったのに。

「ん...」
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