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NEXT 【完結】
第33章 wrong gossip
確かに、聞いたから何かが変わるとは思えない。

羚汰に、子どもがいる。

それで、2人の関係は終わってしまう?


バツイチ子持ちと付き合っていたのだ。
大した違いはないかもしれない。


話してくれなかった事がショックなだけかもしれない。


稜は、食材がなくなってきたことを思い出し、スーパーに向かう。

近所のスーパーは閉店の9時に近く、残り少ないお惣菜は半額になっていた。

もう遅いし、今日はこれでいっかー。

かぼちゃコロッケにするか、蓮根コロッケにするか悩んでいると、電話が鳴る。

見ると羚汰だ。

こんな早い時間にどうしたのだろう。

「もしもし。羚汰?」

「稜!今どこ?」

「近所のスーパー。羚汰、バイトの時間じゃないの?」

「それがさ、ここんとこ忙しかったんだけど、今日ちょっと予約少なかったから早引けさしてくれたんだよね〜!だからこれから電車乗るとこ!」

駅まで走っているのか、早引けして嬉しいのか、弾む声がする。
そんな羚汰の声がとても愛おしい。

「そうなの。晩御飯は食べた?」

「うーん。ビミョー。稜は?」

「これからなの。時間も時間だからスーパーのお惣菜で済まそうと思ってるんだけど...」

羚汰も食べるなら、何か軽く作ってもいいか。

「じゃあさ!あそこ行かね?」

羚汰が嬉しそうに提案する場所が、稜にもわかった。

「「なかやま!!」」

付き合う前に2度ほど行ったおでんのお店だ。



羚汰は中に入ってていいといっていたが、なんとなく入口近くの外で待つ。

5分ほど待っていると、羚汰が駅の方角から走ってくる。

「稜!中で待ってたらよかったのに」

「うん。なんとなく、待ってたかったの」

「もー。今日超寒いんだし、そーじゃなくても風邪引いてるんだからさー」

抱えられるようにして店の中に入る。


「いらっしゃい!」

意外にもお店は空いていて、奥のテーブルにサラリーマンが座っている他はがらんと空いていた。

「珍しいね。めちゃ空いてる」

「あー、ついさっきまで町内会の忘年会でほぼ貸切だってなぁ。ちょうどハケたとこで、いい時間に来たねぇ」

大量の洗い物をしているのだろうおっちゃんが流しから声をかける。
おばちゃんがカウンターから出て来て、またコートを掛けてくれる。
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