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NEXT 【完結】
第33章 wrong gossip
「いやぁ。リョウちゃん、久しぶりだね。前来た時から随分来ないからさ、フラれちゃったのかねって話してたんだよ」

おばちゃんが羚汰のコートを受け取りながら話しかけている。

「フられてねぇし!」

羚汰が焦って否定している。

「ラブラブ過ぎてここに来る間がなかったんだよなー、稜?」

椅子に腰掛けた所を抱きつくように覗きこまれ、体がビクッとなる。

「あら。そうかい。そりゃ、ごちそうさまだね」

おばちゃんが笑いながらカウンターをくぐって、厨房に戻る。

カウンターは広くて、稜たちしかいないのにくっついて座る。

「おでん適当にとー、お惣菜が...なんかもー随分料理がナイね」

いつもは、カウンターに沢山お惣菜が並んでいるのに、今日は皿が随分減っている。

「そーなんだよ、悪いねぇ。さっきの町内会のやつらがね、食い尽くしてあんま残ってないんだよ」

「ま、いいや。残ってんの全部食べる」

「はいよ」



いつものようにウーロン茶で乾杯して、おでんをつついていると、奥のサラリーマン達が帰ってゆく。

次に、別のサラリーマンが入ってこようとしたが、おばちゃんが料理がなくなったとお断りをしていた。

期せずして、30分もしない間に稜たちの貸切だ。

洗い物が落ち着いたのか、厨房の椅子に座っておばちゃんが話相手になってくれる。
おっちゃんは、明日の下準備なのかバタバタと動き回りながら、時折話に相槌を打ってきた。


おばちゃんは、姉さん女房らしい。
二人が出会った時、おっちゃんはプロボーラーに毛が生えた程度の状態で、食堂で働くおばちゃんが生活を支えた。
おっちゃんは、最初から今まで全くもって頭が上がらないらしい。
他にも2人のエピソードを、大笑いしながら聞いた。


羚汰の宣言通り、お店の料理を食べ尽くしてお店を後にする。
いつもの閉店時間より少し早めだ。

手をつないでマンションまで帰る。
羚汰が、スーパーの買い物を入れたバッグを持ってくれる。

「あー、美味しかったね!面白い話がいっぱい聞けたし」

「おばちゃん面白すぎ。笑いすぎでお腹痛い」

「うん。話が上手いよね〜。あんな事言ってたけど、仲良い

キクラゲが売り切れだったのが残念。また来ようねー」

羚汰がコンビニの前で立ち止まる。
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