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NEXT 【完結】
第33章 wrong gossip
羚汰の鋭い眼差しに、体が恐縮する。
腕に指が食い込んで痛い。


「...え。千夏...のイトコが、聞いたって」


羚汰の勢いに、体を強張らせながらなんとか答える。





「くっそーーー!!!誰だよ、そんなデマ流したの!!!」


羚汰が、大きな声で叫ぶ。



「...え?デ...マ...?」



「デマだよ!!稜!!!いないよ!いないから!!」


そう言って、呆然と立ち尽くす稜をきつく抱きしめ直す。


「誰なんだよ!もう勘弁してくれよ!隠し子ってこと?いるワケないじゃん!?」



「...いないの?」

やっと声が出る。


抱きしめた手を離して、頬を両手で挟むようにして、顔をあげさせられる。


「いません!!...ったく、一体、どこからそんな噂が出てくるんだ」


「だって、羚汰に子どもの写真を見せてもらったって人がいるって」


「はぁ~あ???子どもの写真???」


羚汰の眉間に大きく皺が入っている。


しばらく考え込んだ羚汰が何かに気付いたのか、稜に聞いてくる。


「ね、昨日調子が悪かったのって、ひょっとしてこの話聞いたから?」

「...うん」

「はぁ~、もう勘弁して~」

そう言いながら、またきつく稜を抱き抱える。


「隠し子なんていません~。認知ももちろんしてません~。そんなデタラメの嘘っぱち、信じないように!!!」

少し落ち着いて来たのか怒ったように言うのをやめ、拗ねたように、だけど強い口調でそう言い始める。

「すぐ聞いてくれたらよかったのに。抱え込むの辞めたんじゃなかったの?」


まだ稜は、理解が追い付かない。


子どもがいるって噂が、ウソ?


デタラメ??


「ちょっと、まだ俺の言う事が信じられない?」

ちょっとムっとしたような態度で、また両頬を手で挟まれる。



「...だって。だって...」


また目から涙が溢れてくる。


「ごめん。稜もビックリしたんだよな。でも、信じて?そんなハナシ、どっから湧いたのかわかんないけど、デマだから」


溢れる涙をまた指先でぬぐいながら、今度は優しく覗き込む。


「...ね?」


「...うん」


やっとの思いで頷くと、羚汰にまた抱きしめられる。


「はぁ~。マジでビビった~。もうホント勘弁してくれ~」


天を仰ぐようにして羚汰がつぶやく。
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