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NEXT 【完結】
第33章 wrong gossip
稜はまた、真っ赤な顔でうなずく。

そうしよう。

とりあえず、今を信じよう。

羚汰が自分にこんなに深い愛を示してくれているのは、確かに一過性のものかもしれない。

だからこそ、今を楽しまなくては。

先を心配ばかりしていたら、今のこの瞬間も羚汰を失うかもしれない。

「うん。...わかった。これからは、なんでも羚汰に相談するね」

深く頷く稜を見て、羚汰がやっと大きく息を吐く。

「よかった...」

「...ごめんね。羚汰、ありがとう」

2人しばらく抱き合ったまま、互いの熱を確かめ合う。


「あ、なんか安心したら、寒くなってきたことね?...稜、とりあえず、マンション戻ろ?」

「うん」

手をつないでマンションまで帰りながら、羚汰がぶつぶつ文句を言っている。

「しっかし、一体どこからそんな噂が...。くっそー!言いふらした奴、見つけたらボコボコにしてやる!本当にタチ悪い噂だよな。考えた奴マジでシメたる!」

考えていると、またしても段々腹が立ってきたらしい。

「千夏に聞いてみるよ。誰から聞いたのか」

「いや、いい。心当たりがあるから、こっちで調べる」

「...心当たり?」

「あ、いや、...ちょっとね。俺の事、目の敵にしてるヤツがいんの」

「そう、なんだ」

「俺は無視してるんだけどさ。なんでも、ソイツが好きな子に告白したら、その子がなんでか俺の名前を使って断ったらしくて、逆恨みされてんだよね。マジいい迷惑」

「羚汰、モテそうだもんね」

「そんなことないよ」

にっこり余裕の表情で笑う羚汰の横顔を見て、絶対モテるに違いない、と確信する。
大学での羚汰ってどんなだろう。
きっと沢山の友人に囲まれて賑やかに過ごしているに違いない。
女の子からも人気あるだろうな。

「何?そんな見つめて。」

気がつけばマンションのエントランスに差し掛かっていた。

「ううん。別に」

羚汰からの視線から逃れるように、スイッチを押し、1階で待っていたエレベーターに乗り込む。

乗り込んだ途端、壁に押し付けるようにして体の自由を奪われ、唇を奪われていた。

「...んっ...はぁッ...んんっ」
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