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第37章 クリスマスの奇跡
「羚汰、もう寝たほうがいいんじゃない?」

「んー。まだ稜と話したい...」

といいつつまたあくびだ。

「ずっといるんだから。また話そ?」

背中で羚汰が嬉しそうに少し笑ったのがわかる。

「そうだった〜。おやすみ、稜。また明日」

「うん。おやすみ」

そう言って、少し無言になると、すぐに寝息が聞こえ始める。
相当疲れていたらしい。

羚汰の寝息を感じながら、稜もすぐ眠りについた。



翌日は月曜日で、いつもならラコルテのお店自体が定休日なのだが、クリスマス前なので営業するらしい。

それから数日は、祝日やクリスマスイブもあって、土日ほどではないが忙しい日が続いたようだ。


出来ないのが申し訳ないと思って、羚汰だけでも、と何度か持ちかけた。

「稜とデキないのに、俺だけとかいい」

と頑なに拒否された。

「こーしてチューして一緒に寝てるだけでシアワセだし。一週間終わってからスルの、楽しみにしてるから。稜もカクゴしといて?」

と、ニヤリと笑って言われると、それ以上のことは言えなかった。



25日の昼、仕事中にやたらと羚汰からLINEが入っていて。
そこそこ忙しかった稜は、気づいてはいたものの、なかなか見ることが出来ずにいた。

夕方、やっと落ち着いて休憩をし、こそっとスマホを覗くことができた。
そこには、やたらとスタンプや絵文字で、なにやら興奮した様子があった。
詳しくは帰って話すとあり、内容はサッパリわからない。

とりあえず、何か嬉しいことがあった...のかな?
確か、大学の授業は今日までだったよね。

女の子の日もそろそろ終息を迎えていて、今日あたりデキないかなと思い始めていた。

羚汰は本気で一週間待つつもりらしいが、稜のほうがそろそろ限界だった。

どう切り出そうかと思っていたので、ちょうどいいかもしれない。



羚汰の部屋...というより、やっと二人の部屋となってきた部屋に帰る。

洋服関係はだいぶ落ち着いてきて、今はキッチンの整頓だ。

キッチンは同じサイズなので、稜のもの全部は持って来れない。

しかし、重複しているものも多いので置いてくるものも多く、そんなに時間はかからない。
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