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NEXT 【完結】
第38章 羚汰の秘密
その女の子たちの3人が固まって何やら相談しているのを、たまたま羚汰が立ち聞きしたらしい。

「3人のうちの一人が、...その、男性と経験がナイって、ボヤいていて。それが原因で、恋愛に踏み出せないとか」

他の2人もその子の事を、責めるまではいかないにしても、ちょっとバカにしたように話していて。
なんでも、その子が好きになった男が『処女はめんどい』と話していたのを聞いたとかなんとか。

通りがかった羚汰が思わず口をはさんだ。

「『俺は、処女でも気にしないけどな。ってか男なら普通嬉しいんじゃね?』って。そりゃ、軽い気持ちで」

その場では、散々男側の気持ちとやらを質問されまくって、適当に答えて笑い話として終わった。

後日、その経験のない子が、思いつめた様子でこっそり羚汰に相談に来た。

「『お願いがあるの...』って...」

「...それって」

羚汰が正面を見たまま頷く。

「俺も、その時フリーだったし。別に断る理由もないかなって。その子、口固そうだったしね」

1回きりでお互い忘れるという条件で、そういう関係を持った。

「その後、その子は自信が付いたみたいで。その時片思いしてたヤツとはダメだったみたいだけど。それからは、積極的に恋愛が出来たみたいで、影でお礼を言われたりした」

それから1ヶ月も経たないうちに、別の子からまた『お願い』をされたー。

「...それって」

「うん。最初の子が、言っちゃったみたいでね」

羚汰が沈痛な顔で苦笑している。

「今思えば、まだそこで断っとけばよかったんだけど。その時の俺は...何も考えてなくて。それからは次々...」

「次々...って。...何人ぐらい?」

稜の目の前の色が失われていくのを感じる。

「っ!でも、全部で4、5人」

4、5人、って、ハッキリ覚えてないということか。

「本当にもうやってない。稜のことが好きと気付いてから、その時頼まれてた子もスグ断って、それからは」

「...サキさ...ん?」

羚汰がはっとしたように稜を見る。

サキは、彼女だと思っていた。
あんなに毎日のように激しくシテいたから。

「...そう。サキは、あんな見た目だったけど、経験なかったみたいで。でも、友達皆には遊んでる風に振舞ってたから、その...1回じゃなくて...それっぽくなるまでって」

「...そう」
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