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第39章 深まり
「ただいま...」

羚汰が帰ってきた。

いつものように連絡はあったものの、やはりこころなしかテンションは低い。

「おかえり〜」

稜が迎えて少しほっとしているのがわかる。

稜も、どのように接していいかわからず、何もなかったかのように振舞った。

玄関でハグをして、軽くキスを交わす。

「今日も寒かったねー。お風呂、溜めてるよ」

「ん...。じゃ、入る」


なんとなく気まずいまま、稜は布団に入る。

羚汰が帰るまでに寝ておこうかと思ったが、さすがにそれはまずい気がした。
風呂に入っている間に布団に入るのはいいだろう。

またスル気にはなれなかった。
何がそうさせるのかハッキリとしないが、そんな気になれないのだ。
だからと言って、別れる気にもなれない。
どっちつかずのまま、稜の気持ちはまだ平行線だ。

布団に入って目をつむるが、早々に寝れるものでもない。

ぼんやりと水槽の熱帯魚が泳ぐのを眺める。

羚汰も、いつもなら早々に風呂から出てくるのに、今日はかなりゆっくりだ。

付き合う前のことだし。忘れるべきだろう。

だけど、このモヤっとしたカンジが拭えない。

どうしたら拭えるのかー。

いろいろ考えて、ふと、思いつく。

同時に羚汰が寝室に入ってきた。

薄暗い中布団に入ってくる。

「...羚汰」

「ん?」

稜が話しかけると、少し驚いたようだ。

それは、稜の声に決意のようなものが滲んでいたからかもしれない。

稜から、羚汰の手を取って指を絡める。

「昨日からさ、やっぱりいろいろ考えちゃって...」

「うん...」

「なかったことには出来ないけどさ。もうその事ばかりに囚われるのは嫌なの」

「...だね」

「で、...考えたんだけど」

羚汰が唾を飲み込んだのがわかる。

「よくさ。芸能人とかの夫婦がさ、旦那が浮気したらブランドのバッグとか買ってもらうじゃん。あれがいいと思うの」

羚汰が予想外の申し出に固まっている。

「...何が欲しいの?」

アクセサリーか、バッグか。

羚汰の顔に『稜もブランドが好きなのか』と少し軽蔑に近い戸惑いが見て取れる。

稜がふふふと笑う。

「私の欲しいもの、ちょっとお高いよ〜?羚汰に買えるかな〜?」

「だから、何が欲しいの?」

少しイラついているのがわかる。


「ダブルベッド!!」
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