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第40章 candle night
そして、後ろから片方ずつこれまたフォークダンスのように手を取る。

肩ごしに耳元へ唇を寄せ、囁く。

「目をつむって」

「え?」

「いいから。早くつむらないとチューするよ?」

そう言いながら、耳たぶを甘噛みする。

「きゃっ」

「ほら、早く」

何が待っているのか、ドキドキしながら、目をつむる。

「じゃ、誘導するから、少しずつ歩いて」

「あ、るくの?」

「大丈夫だから」

後ろから伸ばした手に、手を引っ張られるようにして歩いてゆく。

柵を超えたところは、エレベーターの上の部分で、そこだけ小屋のようになっている。
その部分をよけて、おそらく先が広くなっているのだろう。

下のエレベーターの形状から、そう推測できた。

案の定、2度ほど曲がると風が強くなる。


「ん、いいよ。目をあけて」


ゆっくりと目を開けると、そこには一面のイルミネーションが。

屋上全体ではさすがにないが、3分の1ほどがイルミネーションに埋め尽くされている。

向かって向こうの柵と左手の柵の合計10メートル程にこれでもかとLEDがまきつけてあり、暖色の温かみのある色で統一されている。

床には、キャンドルがこれまた沢山の数ゆらめいている。

イルミネーションの中心には、羚汰の部屋の白いラグが敷かれていて、その横にはプールサイドで見るような木製のリクライニングの椅子がある。

カセットコンロで使えるキャンプ用品のストーブの明かりも見える。

キャンプ場にあるようなテーブルが置いてあり、そこには前もって置いていた料理と、ワインやワイングラスが見える。

ラグの上には小さなテーブルがあり、その周りにはクッションやひざ掛けのようなものが置かれている。

びっくりして固まっていると、いつの間にか稜の腰を後ろから抱きしめている羚汰が覗き込んでくる。

「どう?驚いた??」

「...すごい」

「思ってたより時間がかかっちゃってさー、遅くなってごめんね」

「これ全部一人で?」

「んー、昨日、お店の後輩に手伝ってもらって運ぶだけはしてもらって。今日は俺一人で飾ったけどね」

「ほんとキレイ」

イルミネーションを見たままの稜の頬にキスを落とす。

「寒いから、ストーブの横に座ってて。さっきの荷物取ってくる」

そう言って、稜から離れると大急ぎで荷物を持って往復している。
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