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第41章 約束の約束
慌てて返事をする稜に、耳元でくすくすと笑っている。

「緊張してる?」

「...ちょっと」

動かずにいた羚汰が少し動いて水面が動き、その動きにすらびくっとなる。
どうやら稜のほうを覗き込んでいるようだ。
その気配は感じるものの、そちらを向けない。

「こっち、向いて?」

そう言われて、恐る恐る体を少しひねって振り返る。

当然だが、至近距離に濡れ髪の羚汰が居て、どきりとする。

いつもはふわふわしている明るい髪が、濡れて少し暗い色になり、くるくるとうねるからか後ろへ流している。
風呂上りのタオルドライ後は見たことがあったが、ここまで濡れてはなかった。
始めて見るいつもより大人っぽい雰囲気に、心臓が益々高鳴る。

「な、なに?」

「んー、こっち向いて欲しかっただけ~」

嬉しそうな顔をして、唇が軽く重ねられる。
恥ずかしくなり、また顔を戻してしまう。
そんな稜を見てまた羚汰が笑う。

「今日、楽しかった?」

「うん。すごく。イルミネーションが綺麗だった。用意、大変だったでしょ?」

「まあね。でも、ほとんど手伝ってもらったから」

「羚汰、慕われてるんだね。そんな手伝ってくれるなんて」

「えー、全員にラーメン奢らされたけど」

本当は2人に頼んだのに、ラーメンを聞きつけてもう2人が申し出たらしい。
羚汰の口ぶりから、ぶつぶつ言いながらも仲の良さがわかる。

「料理も美味しかった~」

「よかった」

「凄い素敵なクリスマスだったよ。ありがとう」

「どーいたしまして。俺も、プレゼントもらったし」

振り返ると、羚汰の耳にはあのピアスが光っている。

「全部つけてたら重たくない?穴が広がったりしないかな?」

羚汰の耳に手をやり、重さを確認する。
シルバーで出来たピアスは手作りなのもあって、結構な重さがする。それを5つもつけているのだ。

羚汰がそんな心配をしている稜を笑っている。

「これも嬉しかったけど、今俺が言ったのは、もイッコのほう?」

「え?」

目をぱちくりさせて稜が止まる。

「セクシーサンタ?」

羚汰がにんまりそう言った途端、真っ赤にして慌てて顔を背ける。

「もうっ」

「もうって、稜が着たんじゃん?あれ、プレゼントだよね?」

羚汰が真っ赤になった耳にキスをする。
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