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NEXT 【完結】
第6章 喧嘩からの...
「タクシーで20分だから。チャリは、まぁ倍以上でしょ」

「うーん。片道40分はキツイなぁ〜。ホットケーキ食べたいけど」

「もう2時間もすれば、電車動くよ」

「そんなに待てないっす!」

「それか、反対に出て、マックに行くかー」

駅とは反対方向の車通りが多い県道に出て少し行くと、24時間のマックがあったハズだ。
チャリだと、どのくらいかかるかー。

「ファミレス行くよりは、近いかな?」

「稜さんならどっち行きます?」

「うーん、私はー」

と、真剣に悩み出して、ふと気付く。

「ねぇ。その“稜さん”って呼ぶの、やめてもらっていい?」

「は?」

イキナリの話の展開にリョウが驚いている。

「嫌なの」

「...名前が?...俺と一緒だから??」

少し悲しそうな顔をして、リョウが顔を覗き込もうとする。
いつの間にか、顔を背けていたらしい。

「それとも、年下の俺なんかに名前で呼ばれたくない?」

「!」

益々悲しい目をして、リョウの顔が近づいてくる。

「...違っ!!」

「やだ。ハッキリとした理由ないんじゃ、稜さんって呼ぶ」

リョウは、いちいちどーしてキザったらしい。
しかし、口説き文句じゃないんだからと思っても、アラサー独女にはいちいちコタエる。

「...稜さん。なんか言ってよ。俺がいじめてるみたいじゃん。理由聞かせてくれたら、考えるから」

あまり理由は言いたくなかったが、言わないといけないかー。

「...“さん”を付けて呼ばれると、あの漫画の人みたいだから」


リョウは、全く思ってなかった理由を聞いて、理解出来ずにいた。

「“さん”も、“ちゃん”も。小学生の時、散々からかわれて、それで...」

稜が言うのは、あの国民的ギャグマンガのキャラクター。通称は『両さん』。何人かには『両ちゃん』とも呼ばれるー。

しばらくしてやっと意味がわかったリョウが吹き出し、大声で笑い始めた。
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