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NEXT 【完結】
第45章 お見合い
佐々木もマズイと気づいたのか、少し慌てている。

「あー、そうだね。どこか入ろうか」

今度は店を探して20分ほど車を走らせた。

もう話すこともなくなり、車内に沈黙が流れる。

やっとカフェらしい店を見つけて、中に入る。

佐々木はお腹がすいていた事を思い出したのか、メニューからドリアを探して注文していた。

稜は、カフェラテを注文する。

ホテルでもそうだったのに、また佐々木は汗をかきかき、もうぐっひょり色も違うようなハンカチで額の汗をふきふき、熱々のドリアを食べている。

笑うなという方が無理がある。
稜は、笑いをこらえるのが必死だ。

ある意味、純粋な人なのだろう。

稜は、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

もうお断りすることは決まっている。

ここで聞かないと、一生わからないままだ。

「あの、釣り書きのお写真、いつのものなんですか?」

佐々木のスプーンが止まる。

「え?写真?」

「...どなたかの結婚式で撮ったっぽかったですけど」

佐々木はスプーンを置いて、たるんだ顎をつまんで考えている。

「4年前、ぐらいかな?」

4年!!!

人間、4年でここまで太れるものなんだ!

「...何か?」

何かって!!

聞きたいのはこっちだよ!

「えーっと、もう少し前のものかと思っていたので...」

ここまできたら、ドッキリか、はたまたコントかと思えてしまう。

「そう?印象が違うってこと?」

「...そう、ですね」

太り過ぎだろ、と喉のところまで出かかったが、流石に飲み込む。

「君も、写真と違うね。なんか...もっと明るい派手な人かと思った」

!!

こちらも弟の結婚式の時の写真を出したと言っていた。

あの時は、成人式の時の派手な振袖を着て、髪も華やかにアップにしていた。

今は、確かにその時よりは地味だ。
それでも、母親が前日にモールで選んだ明るめワンピースだし、髪はパーマが取れかけだったのをこれでも理子ちゃんがゆるく巻いてくれている。
稜にしたら、着飾っているほうだ。

どんな格好だと満足なんだろう。
彼の好みにするつもりはないが、なんだかちょっとしゅんとなる。

まあ、でもこれで、この人もこの見合いを断ってくれたらいい。

稜は思い直し、営業スマイルを向ける。
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