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第45章 お見合い
もう時刻は5時を過ぎている。
入った時刻は正確に覚えてないが、このカフェに着いて2時間は経っているだろう。

いつ「帰りましょう」と話しかけるか、タイミングを見計らっていたが、なかなかその隙を与えられない。

夕日がだいぶ傾いて、店員さんが稜にだけわかるように苦笑しながら、キャンドルをテーブルに運んできた。

そこで佐々木も流石に時間の経過に気づいたらしい。

「ああ、もうこんな時間ですね」

「...ええ」

「じゃあ、ホテルまで送ります」

いそいそと会計を済ませる。
稜は一応払おうと申し出たが、流石に佐々木が払ってくれる。

お見合いをしたホテルで下ろされ、稜はお茶のお礼を行って車を見送る。

ロビーに入って、急いで母親に迎えに来てくれるように電話した。

当然母親は家に帰っている。
母親の車で乗り合わせてこのホテルに来ていた稜は、ここで下ろされても自宅に帰りようがないのだ。

母親が来るまで、ホテルのロビーで魂が抜けたように呆然と座っていた。

母親に声を掛けられて、慌てて立ち上がる。
一人がけのソファに座って眠ってしまっていたらしい。

「稜、大丈夫?」

「うん。すっっっっごい疲れた」

2人で父親が待つ車に乗り込む。

「お母さんもあの後、大変だったのよ!」

どうやら、佐々木母もすごい人物だったらしく。
ずーーーっとお家の自慢話を繰り広げていたらしい。

「あーんなに写真と違うとはね!」

車に乗り込むと、あの時みんなの手前、出来なかったことをお互い言い合う。

「あそこまで太ったらちょっとダメよねぇ。病気になるわよ」
「ってゆーか、もう病気になってない?顔色おかしくなかった?」
「そうねぇ、すごい汗をかいてたわねぇ」
「でしょ!その前に、面影ないし!別人かと思ったー」
「お母さん思いって、マザコンよね」
「そう!ママ、って呼んでた!」
「お母さんもちょっと激しい人だったわ〜。あそこの家では稜、やってけないわよねぇ」
「やってけないよ!!」

珍しく母親と意見が合う。
父親がハンドルを握って静かに笑っている。

「母さん、家まで送ってくれると思ったわー。まさか、ホテルに置いてかれるとはね。佐々木の家へは、家の近くを通って帰るのに」

「えっ、もう十分よ。あれ以上一緒にいたら発狂してたわ。もうぐったり」
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