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NEXT 【完結】
第6章 喧嘩からの...
くぐもったスマホの音で目が覚める。

いつの間にか眠っていた。


スマホはカバンに入ったままであった。

稜は、重たい体を起こしてまずはカバンを探す。

そして、その中からスマホを探し当てた。


気付いてから電話を受けるまでかなりの時間があった筈だが、電話の相手は止めることなく鳴らし続けた。

「...はい」

寝ぼけていたのか、相手を確認せずに電話に出る。

「...稜か」

「ん?父さん?」

電話をかけてきた相手に気付いた稜は、急激に目が覚めていくのを感じた。

「どうしたの。何かあった」

父親から電話があるなんて、滅多にない。

「寝てたのか。もう昼が来るぞ」

「...用事は何」

「その、なんだ。今日こっちに帰ってこないか」

「え?先週帰ったばっかじゃん」

「その、なんだ。帰ってくればわかる」

「見合いとか?」

「そんなんじゃない」

「じゃあ、何なの」

「その、なんだ。....カイのお墓参りだ。」

なんかどうも歯切れが悪い。

カイは飼っていた雑種犬で、稜が高校1年の冬に飼い始めた。
当時小学生だった弟の学校に入って来ていた迷い犬で、弟が連れ帰った。
犬がどちらかというと苦手な両親は反対したが、このままだと保健所に連れて行かれるというのを聞いて、しぶしぶ飼いはじめた。
はじめ弟が積極的に世話をしていたのだが、段々可愛さがわかってきたのか、両親はカイを溺愛した。

カイは今年の5月に亡くなった。
拾ったとき、すでに大きかったので年齢はハッキリしないが、寿命らしかった。
稜や弟も相当なショックを受けたが、両親の憔悴ぶりには驚くものがあった。

まだ一周忌でもないし、お彼岸はすんだばかり。

そもそも、犬のお彼岸ってあるのだろうか。

疑問に思ったが、カイの名前を出されては、帰らざるをえない。

「...わかった」

電話を切ると、LINEが沢山来ていた。
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