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NEXT 【完結】
第46章 Difference
駅までの道を手つないで急ぐ。

「すげーエキサイトしてたみたいだけど、何があったの?」

羚汰にそう聞かれて、どこまで話すべきか戸惑う。

見合いの話は断った、と、さっくりしただけで、詳細は話していない。

聞かれなかったし、聞きたくないだろうと思ったからだ。

このタイミングで話すべきか。

どう話すべきか迷ってしまい、なんだか羚汰の方が真っ直ぐ見えない。

羚汰もマフラーに顔を埋めるようにしているので、表情がわからないが。

「...うん。昨日のね、ハナシ...」

「...そっか」

嫌な沈黙が流れる。

「断った...んだよね?」

「うん!」

そこは誤解されたくない。

羚汰の方へ向いて強く言い切る。

「よかった。一瞬焦った」

羚汰が緊張が解けたように、少し笑っている。

「...なんか、ちょっと、って言うか、...かなり変わった人でね。ちょっとコジレているというか...。向こうがごちゃごちゃ言っているらしくて」

ホームに入り、ちょうどやって来る電車を待つ。

「??」

「でも、大丈夫だから!」

「...あは。そっか」

羚汰の手が、頭をぽんぽんと叩く。
ちょうど電車が入って来て、風が舞う。

電車に乗ると、いつもの駅はすぐ次の駅だ。

なんとなく見合いの話は避けるように、稜は別の話を探す。

何か話題はないかな。

「そういえばさ、千夏が、年明けたし羚汰の空いてる日を教えてって言ってた」

あ、何も、こんな話でなくても良かったか。

失敗かも。

そんな事を考えてたら、顔に思いっきり出てしまったらしい。

羚汰が気づいてくすくす笑っている。

「うん、そうだね。いつがいいかな」

スマホを取り出して、スケジュールを確認している。

「土日がいいんだよね?来週の土曜日の昼頃かー、その次の日曜日かな」

「わかった、言っとくね」

「でもなー」

電車を降りた羚汰が、つないだ手をぐいっと引っ張る。

駅のホームだというのに、羚汰の胸の中に抱きすくめられる。

「きゃっ、ちょっと」

「そのへんの休みはさ、稜とイチャイチャしたくて取ったやつだから」

耳元で囁かれ、体に電気が走る。

その反応に、羚汰が笑って歩き出す。

「あんま潰れるのヤだな。せめて、昼過ぎとかにしてね」

「ん...」
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