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第46章 Difference
羚汰が歩きながら勢い良く振り返り、稜をのぞき込む。

「顔、赤いよ?」

そう言ってにやりと笑う。

「だって!」

こんな人通りの多いところで、抱きしめられたのだから赤くなるのも当然だ。
周りを通る人が、ジロジロ見ているようで、なんだか居心地が悪い。

羚汰は、全く気にしてないようで、逆に稜の反応を見て楽しんでいるようだ。

改札を抜けて、大通りを歩き、バイト先まで歩いてゆく。
この調子なら余裕で間に合うからか、羚汰の足取りがかなりゆったりだ。

「バイト行きたくないなぁ〜。このまま稜とどっか行きたい」

「お店昨日からなのに、無理言ってお休み貰ったんでしょ」

イタリアンレストランだが、正月は予約でいっぱいらしく、一日でも早く出てくれと頼まれたのだ。

「うーん。そーだけどさぁー」

ぶーたれた羚汰を半ば引っ張るようにして、あとワンブロックでお店の位置まで来る。

「はい。じゃ、私はここまで」

「えっ、なんで。店、あそこだけど」

「お店まで行ったらおかしいでしょ」

腕を軽く引っ張る羚汰に、稜は体を反対に引っ張るようにして対抗する。

「おかしくないよ〜!」

「だってほら、誰かに会うかもだし。この辺で」

動きそうにない稜に、また羚汰がぶーたれる。

「...じゃあ、ちゅーして」

「はぁっ?無理っ!!」

真っ赤になって顔をそむける。

車はガンガン通るし、人通りだってある。

羚汰が稜を抱きしめて、顔を近づける。

「きゃっ」

「してくれないと、行かない」

背けた顔の頬に、キスが落ちてくる。

「やだ、もうっ」

「ちゅーして!」

2人でじゃれていると、すぐそばで声がする。

「なーにやってんすか、こんなトコで」

冷ややかな声の持ち主は、羚汰のバイト先の同僚で、確か...ダイキと言った。
手にコンビニの大きな袋を下げている。
みんなのものを頼まれているのだろう。

「ちっ、いいとこなのに」

稜は慌てて、力が弱まった羚汰の腕からするりと脱出し、ダイキ向かって挨拶をする。

「こんにちは。ごめんなさい、もうすぐ行くので」

「いえいえ。どーせなら、この路地入ったら人通り少ないっすよ」

すぐそばの、車が通れない路地を指さす。

「いえ、そんな」
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