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第46章 Difference
少々ではないと思う。

おばさんはそれから、稜が知らない遠い親戚の誰やらちゃんが、お金の無い人と結婚して、旦那がギャンブルで作った借金抱えて、苦労している話や。
また別の、今度は近所の人の親戚の人で、旦那が薄給で共働きをしなくてはならず、その中で子育てで苦労している人の話など。
あらゆる話を持ち出して、稜を説得しようとしてきた。

そうかと思えば。
自分の頃は、相手もわからないまま親のいうなりに結婚した。結婚式で、初めて旦那になる人の顔を見た。
などと、いつの時代の話かわからないぐらい昔の話まで初めて。
それに比べれば、今の人は贅沢だの、ワガママだのと説教まで始まってしまう。

そんな話をいくらされても、稜の気持ちはもちろん変わらない。

「おばちゃん、ごめん。どんなに説得してくれても、変わらないから」

そう言うと、おばさんは、何度も何度も本当に断るのかと聞いてきて。
その度に、断るといい続けた。

「こーんないいお話、二度度無いんだからね!!」

と最後に捨てゼリフを吐いて、電話をブチっと切った。


やっと電話が終わり、なんとか断ることもできたようで、稜はソファに体を寝かせる。

時計を見ると、9時半近くで。
1時間半も電話していたことになる。

母親に電話で報告をする。
疲れきっていて、メールをする手間がめんどくさく、電話のほうがいいだろうと考えたからだ。

母親も気になっていたらしく、すぐ電話に出る。

おばさんに電話したこと。
なんとか断れたことを話す。

「そう、大変だったわねぇ。長かったでしょ」

「そーなの!おばさんが、顔も知らない人と結婚した話とか聞かされた」

母親は電話の向こうでケラケラと笑っている。

「笑い事じゃないし!もう大変だったよ〜」

どうやら、母親もその話や、遠い親戚の話、近所の人の話。同じ話を延々聞かされたらしい。

「ま、でもこれで、もうおばさんも言ってこないんじゃない?」

「そうだといいけど」

散々2人で、おばさんの話で盛り上がって電話を切る。

母親と電話終わって、また時計を見たら、10時半過ぎていた。

稜は、重たい体を引きずって、風呂に入る。
このまま転んでいたら、爆睡してしまいそうだ。
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