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第46章 Difference
羚汰を起こさないように、ゆっくり手を引っ込める。

さっきとは変わって、少し微笑んだような寝顔だ。


見ていて稜までもが嬉しくなる。

幸せな気持ちになって、ずーっとそのまま羚汰を見ていた。


いつの間にか二度寝をしていたらしく、スマホのアラームで目が覚める。
慌てて止めたが、羚汰はまだ爆睡している。

そーっと起き出して、羚汰をまたいでベッドからおりる。
流石に起こしはしないか心配したが、起きなかった。
よっぽど疲れているのだろう。

薄明かりの中、静かに着替えを持って寝室を出る。

身支度を済ませ、朝ごはんを食べ、弁当を詰めていると、寝室から羚汰が慌てた様子で飛び出してきた。
キッチンの中に稜の姿を見つけて、少し安心している。

「はー、まだいた」

「おはよー」

「おはよじゃないよ!起こしてくれたらいいじゃん!...もう行くの?」

ぼさぼさな頭で、ぶちぶち言いながらカウンターのスツールに軽く腰掛ける。

「うん。これ詰めたら行くよ。それ、朝ごはん、食べてー。...だって、すっごい爆睡してたから、疲れているのかなって」

羚汰がぶすくれながらも、カウンターにある目玉焼きとキャベツとウインナーの炒めたのを、ラップの横から手でつまんでいる。

そんなラップを稜がキッチンから手を伸ばして外し、フォークを渡す。

「そーだけどさー。昨日寝るとき、明日シよってゆったのにー」

明日、ってこの朝のことだったの。
てっきり、明日の夜って意味かと...。

そう思ったけど、口には出さない。

代わりに、牛乳をコップに入れて渡す。

「ありがと...」

「じゃ、もう行くね」

「ホントに行くのー?」

ホントにも何も、時間なのだから仕方ない。
新年初日から遅れるわけにもいかないし。

キッチンから出て、カバンを持って玄関へ。
ぶすくれた様子の羚汰が見送ってくれるのか、後をついてくる。

「行ってきます」

靴も履いてドアノブに手をかけたところを、後ろから抱きしめられる。

「きゃっ」

「...足りない」

腰に腕が巻き付き、顔がうなじから肩のあたりに沈みこんで、そこでじっとしている。

「...羚汰、遅刻しちゃうよ」

「もうちょっとだけ」

「時間ナイから」

そう言って、まだカナリ不服そうな羚汰から離れる。

振り返って、そんな羚汰に優しくキスする。
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