この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第46章 Difference
柔らかく触れる唇をゆっくり離す。

「これで我慢して?」

羚汰が、少しの間のあと稜の腰をぐいっと引き寄せ、舌を絡めるキスをする。

一瞬見えた羚汰の顔が、なんだか悲しそうに見えてドキリとする。

稜の舌に吸い付くようにして、舐め回し口内を駆け回る。

軽いキスで羚汰が納得するとは思わなかったが、ここまでのキスが返ってくるとは思わなかった。

稜は、熱く濃厚なキスに朝から意識が飛びそうだ。
体の力も抜けて、羚汰にもたれかかるようにしてしまう。

「んふっ...」

「今晩は今朝の分もスルからっ。絶対だよ」

きつく抱きしめて、朦朧としている稜の耳元に言い放つ。

「...ん。...わかったから、離して?」

「ダメ。まだ足りない」

やっぱり羚汰はどこか悲しげな表情だ。
さっきより苦しげなその瞳がまた目の前にやってきて、唇が重なる。

キスしたら喜んでくれると思ったのに。

何度も角度を変えて行われるその口付けは、何だか少し恐怖すら感じてしまい、羚汰から逃れようとしてしまう。

呼吸があがって、本当に苦しいのだ。

「羚汰っ、本当に、行かないとっ、...遅刻しちゃうっ」

「...本当にそれだけ?」

言われた意味がわからず、荒く呼吸を繰り返しながら、必死に羚汰の腕にしがみつく。

強く見つめられる眼差しに戸惑っていると、羚汰が踵を返す。

「駅までチャリで送るよ」

スエットにいつものブルゾンだけを羽織って、羚汰が足早に戻ってくる。

「うん...」

さっきまでの激しい羚汰は消え、いつもの羚汰に戻っているように見えた。
少なくともあの荒々しさはなくなっている。

にっこり笑って、稜の手を引っ張り、急いで部屋を出る。

何だかいつもと違った様子に、訳が分らない稜は、俯いて何も言えずにいた。

「はい。後ろ乗って。...捕まらないように、裏通飛ばすよ」

「...うん」

自転車をこぐ羚汰の後ろに掴まる。

歩いて十数分の距離なので、チャリで飛ばすとすぐだ。

なんとかいつもの電車に乗れそうだ。

「ありがとね」

「うん。行ってらっしゃい」

手を振って別れて、駅のホームに急ぐ。

一度振り返ると、まだ羚汰がこちらを見ているのが見えた。

どうしちゃったのだろう。

今朝シなかったから怒っている、というワケではなさそうだし...。

何か怒らせることしただろうか。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ