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第46章 Difference
せめて起きて待ってようと、テレビをつける。
大きなひざ掛けにくるまるようにして、ソファに座る。

羚汰の部屋には元々テレビはなく、稜の部屋から持ってきたものだ。

正月もだいぶ過ぎたというのに、まだ正月特番ばかりで、大した番組はやってない。

リモコンで何度もチャンネルを変えて、なんとか旅番組に落ち着く。
日本全国の景色のいい温泉ベスト100をカウントダウンで紹介し、そのうちのいくつかをタレントや芸人が巡るもので、あまり面白味はなかったが、他にいいのがないので仕方ない。
時間的にも、羚汰が帰ってくるだろう時間まであるようだし、ちょうどいい。

ぼーっと見ているといつの間にか眠ったらしく、いつもの時間に帰ってきた羚汰に起こされた。

「りょーう!りょーーう!!起きて」

「ん...。あ、寝ちゃってた?」

目を擦ろうとして、リモコンを持ったままなのに気付く。

「風邪引くよ。こんなとこで寝てないで、ベッドで寝たらいいのに」

「...だって」

約束したから、待ってなきゃと思ったのに。

「何、温泉?これ見るために?」

テレビを見ながら、羚汰が呆れたようにつぶやく。

長かった番組だが、もうエンディングに近づいていた。
ほとんど寝ていて見てない。

「違う、他になくて...」

一番に選ばれた温泉が最後に大写しになる。
大雪に囲まれた、山の上にある秘境の温泉らしく、景色がすばらしい。

「すげー。こんなとこ、どーやって行くんだろ」

呆れていた羚汰も、稜の隣に座り直して、感心している。

「そういえば、こっち、俺が実家帰った日ぐらいから大雪になったんだって?」

「うん。そーなの。だから今日は仕事がすごい忙しくってー」

「そうだったんだ。全然知らなかった〜」

毎晩電話で話してた時に、こっちは雪がすごいよって話もしたと思うのだが。

「じゃ、俺、風呂入る。稜は、ベッドで寝な?」

ポンポンと頭を叩かれ、そのまま羚汰は風呂場へ消える。

なんだか拍子抜けだ。

こんなことなら、布団で寝てたら良かったー。

重たい体を引きずって移動し、布団に潜り込む。


そのまま稜は、深い眠りについた。
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