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第48章 la corte の人たち
「正月、ミズキさんのお家に何日かお邪魔しちゃったんで、そのお礼にと思って。ミズキさん、チョコとかこーゆーの大好きだし、俺が作ったって言ったら驚くかなと」

「そうなの。ごめんね。別に変に勘ぐる気はなかったんだけど」

つい興味が湧いて聞いてしまった。
でも、稜にそんな詮索する権利はない。

「いえ。...おかしいですかね、俺がこんなん作ったら。キモイっすか?」

ユウが、真剣な顔して聞いてくる。

「そんなことないよ!彼女に作ってあげるとしたら、その子が羨ましいなって思ったの!」

その言葉にほっとして、カートを押し歩き出す。

「...彼女なんていないっす」

歩きながら、ぽつりとそう呟いた。

「そうなの?モテそうなのに〜」

変なことを聞いた後なので、ことさら明るく聞いてみる。
ユウは苦笑いしている。

否定しないところをみると、きっとモテるのはモテるんだろう。

「ミズキさんや、リョウさん見てたら、そーゆーのもいいかなって気がしますけどね...」

その言い方に陰があって、言葉に詰まる。

何かトラウマみたいなのでもあるのかな??

沈黙がしばらく続いて、気まずい。
もうレジに行くべきか悩んでいると、ユウがいきなり笑い出す。

「特に、リョウ!彼女出来てめっちゃ人が変わったみたいにウキウキしちゃって!」

「!そーなの!?」

「まるで別人ですよ!『俺はメンドーだから彼女作らない主義』なんて言って遊び回ってたのに!」

!!

驚いていると、稜の様子にユウがはっと気づく。

「あ、すいません。彼女さん目の前にして...」

「ううん。大丈夫」

そうか、やはり遊び回ってたんだ。
分かっていたけど、実際聞くと少しまだショックだ。

「いや、でも、リョウさんと付き合ってから、ホント人が変わったみたいで。こないだのクリスマスのやつとか、何日も前から、すっげー計画練って。プレゼントも悩みまくりで、俺やほかのスタッフとかにパンフとか見せまくって。何度もダイキさんと店ハシゴして指輪探してー」

悪いと思ったのか、羚汰の最近の様子を細かく説明してくれる。

「そう、クリスマスの辺りで喧嘩、しませんでした?」

喧嘩はしてないが、確かクリスマスの辺りで羚汰の秘密を知ってしまった。
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