この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第48章 la corte の人たち
あの頃のことを思い出すと、まだ胸が締め付けられる。

「もー、あの日のリョウは見てられないカンジでしたよ。『俺もうダメかも』『フラれたら立ち直れない』とかって。忙しい時期なのにぐだぐたで仕事に差し支えるし。注文した指輪が届いてたのに、受取に行けないとかで、俺取りに行かされるし」

「!そーなの?...ごめんね」

そんなことになっていたとは全く気づかなかった。

確かにあの時、羚汰も苦しそうだった。

「つぎの日には仲直りしたんですよね?もー、超嬉しそうにウキウキしちゃってー。別人かっていうぐらい」

その後も、羚汰の普段の様子なんかを事細かく教えてくれる。

稜が普段知っている羚汰とは、違う面が見えてなんだか楽しい。

スーパーを出て、マンションまで送ってもらってもまだ話は尽きない。しばらく、車の中で話を聞く。

「...やべっ。ちょっとしゃべり過ぎたっすかね?」

「ううん。いろいろ聞けて楽しかった。ありがとね」

羚汰の話が一段落したし、車から降りようとする。

「あ、部屋まで送ります」

「いいよ。ここで、もうマンションまですぐだし」

車がついたのは、エントランスの目の前だ。
流石に、佐々木もここまでは来ないだろう。

「ダメっす!部屋のチェーンをかけるまで送るようにって言われてるんで」

荷物を持ってユウが車を降りる。

チェーンをかけるまでついてくるらしい。

「本当に今日はありがとうね。長時間申し訳ないわ」

「そんなことないっす。俺、リョウにはすげーお世話になってるんで。...軽く引き篭りだった俺を変えてくれたのは、リョウだからー」

エレベーターの上のほうにある表示を見ながらではあったが、真面目な顔で言う。

ユウはそう言ったっきりだし、なんだかそれ以上は聞いてはいけないようだ。

「そう...」

「ははっ。そんな顔しないで下さい」

ちょうど7階にも着いてエレベーターを降りる。

「リョウやスタッフのみんなに、キャンプや釣りとか連れ出してもらって、今じゃすっかりアウトドア派ですから」

にっこり笑う。
何があったのかわからないが、今は楽しんでいるのだろう。

「そっか」

「はい。着きましたね」

ドアの前までやってきた。
鍵を開けて中に入ると、そこで荷物を渡される。

「本当にありがとう」

「ちゃんと鍵かけて、チェーンもして下さいね」
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ