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第50章 ドライブデート
羚汰は、お揃いのランチョンマットにするんだと、張り切ってい選んでいる。
カラフルで色んな柄があるので、広げたり掲げたり大忙しだ。

ランチョンマットは羚汰が選んでいるので、稜は隣のキッチンタオルやら小物を眺めていた。

ふと棚の並びにエプロンがかかっている。
普通の地味なものから、カフェで使うようなギャルソンエプロン、割烹着など種類も豊富だ。

ハンガーにかかっているのを取り出して見ていると、ひときわぶりぶりと可愛らしい柄のものが出てくる。

明らかに新婚さん向けの、フリルがたっぷりで、ピンク生地に白い水玉のものだ。

買おうと思って見てるわけではなかったのだが、羚汰に見つかっては何を言われるか...。
慌ててしまい、何事もなかったかのように立ち去ろうとして、羚汰につかまる。

「!!」

「んー?何なに?今度は裸にエプロンとかしてくれんの?」

「びっくりした」

「いいじゃん、これ」

稜がさっきまで見ていたふりふりのエプロンをカートに入れようとしている。
咄嗟にその手を掴む。

「えっ、か、買うの?」
「着てくれんでしょー?」
「着ない着ない」
「えー、着てよ~」
「こんな可愛らしいのムリムリ!」
「なんで?超アリだと思うけど。似合うって」
「やだっ。着ないって」

「...すいません~」

通り抜ける人の邪魔になっていて、慌てて塞いでいた通路の端っこにカートごと移動する。

「ごめんなさいねぇ~」

初老のカップルが、稜たちのやりとりを見ていたのだろう。明らかに笑いながら通り過ぎた。

「こちらこそ、すいませんでした」

恥ずかしくて真っ赤になりながら、稜が謝る。

その間に羚汰が、カートを押してその場から反対方向へ離れていく。
ぐんぐん進んで、レジに並び始めた。

「ちょっと待ってよ~」

カートを見ると、ちゃっかりエプロンが入っている。

「ちょっと、羚汰っ」

慌ててカートの中に伸ばそうとする手を羚汰がさえぎる。

「いいじゃんいいじゃん。ってか、俺が着るし」

「へっ」

今、なんと?

目をぱちくりとしていると、羚汰がエプロンを取り出し、自分の体に当てている。

「ねっ。どーお??似合うでしょっ」

「!!」

しなを作って女言葉で笑う。
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