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第50章 ドライブデート
にやりと不敵な笑を浮かべる羚汰に、背中をゾゾッと何かが走る。

千夏、何を言ったの??

「年末、届いたものがあるでしょ?」

「へっ?」

「俺に隠して仕舞ってるんでしょー?」

「何を??」

「またまたしらばっくれてー。開けるよ?」

羚汰がクローゼットを開ける。

「ちょっと、だから何を??」

慌てて制止しようと、羚汰の腕を掴む。

今使う冬物は羚汰の部屋に運んだが、季節外のものはまだこの部屋にある。
雑然としているので、恥ずかしいからあまり見られたくない。

「千夏さんと有希子さんが、プレゼントしたって。なんて店だったか、聞いたけど忘れたんだけどー。なんとかって下着のメーカーで、稜に素敵なプレゼント、したって」

!!!

あれは12月の半ば、羚汰と付き合いはじめの頃、『おめどう記念』とかなんとか言って、過激なショーツをいくつか見繕ってプレゼント注文してくれた。

結構すぐ届いたのだが、稜はしまい込んでいたのである。

「ほら、クリスマスに着てくれたサンタのやつ、ちょーよかったから、帰り際に千夏さんにお礼を言ったんだ。そしたら、下着の方はどうかって聞かれてさー」

探すのを諦めた羚汰がベッドに座り、稜に向かって手を伸ばす。

「ほら、出して?...千夏さんが、『稜のことだからきっと隠してるだろうなって思ってた』って言ってたよ」

千夏〜。

「下着の他に、オマケもあるだろうって」

そうなのだ。
下着にも驚いたのだが、それ以上にオマケがすごい。
捨てるわけにもいかず仕舞い込んで、それから存在を忘れていた。

「りょーう?ほら、どこ??」

稜はひとつ深呼吸をして、ベッド下の引き出しから、小さなダンボールを取り出す。

「...はい」

「どれどれ」

羚汰がチラリと中を確認する。

「コレみたいだね。さ、あっち戻ろっかー」

稜は、引き出しから出すために正座したままだ。

「ほら。行くよ」

「...使うの?」

恐る恐る聞いてみる。

「洗濯すんでないから、とりあえず今日は使えないっしょ?」

下着類は、まだビニールに入ってて、タグも付きっぱなしだ。

ほっと胸をなでおろしていると。

「オマケのほうは、使おっかな〜」

座り込んだままの稜の手を取って、勢い良く引き上げる。

「うっそ!」

至近距離に羚汰の顔がやってきて、軽くキスが落とされる。
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