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NEXT 【完結】
第7章 千夏の結婚式
「あーーー!!えーっと、“おりょうさん”!!」

マンションの前でタクシーを降りていると、リョウが少し遠くから走りながら声を掛けてきた。

「...“おりょう”??」

「うん。咄嗟に思いつかなくてー。今日は結婚式だったんだね。ドレス可愛い」

ツッコミたいトコロ万歳だったが、今はそれどころではない。

「運転手さんすいません、トランクを...」

「あー、はいはい」

タクシーのトランクが開く。

「荷物沢山だね。手伝おうか」

トランクを覗き込んだリョウは、稜の返事を聞く前に、運転手と一緒に荷物を下ろしにかかっていた。

ボストンバッグが1つと、大きな紙袋が2つ、ブーケのちいさいのがひとつ。あとは、すごく大きなダンボール。

「俺がいなかったら、どーするつもりだったの?...特に、コレ」

リョウが指したのは、大きなダンボールだ。

「しかも、重いし!!何すか、コレ?」

「2次会のビンゴで当たったの」

「え!スゴイっすね!」

「欲しくないんだけど、当たったんだから持って帰れって言われて...」

明らかにネタとして用意された、三等の景品。
男性陣に当たり、爆笑を引き起こすことを想定されたと思われた。

「で、何なんですか?」

リョウがそのダンボールを抱えて、紙袋ももって運んでくれている。

稜は、言わないわけにはいかなかった。

「スリム〇ンダーコア...」

「えっ?あのCMの!?」

「...うん。あのCMの」


大きく吹き出すリョウ。

エレベーターの中とはいえ、夜中の3時を過ぎている。

「ちょっと、また声が大きいから!」

「だってー、ス〇ムワンダーコアって!!“おりょうさん”がスリムワンダー〇ア!!」

「...その“おりょうさん”やめてよ」

「えー?ダメ?イイと思ったのに」

リョウは涙目になってる。まだ笑いをこらえているようだ。

エレベーターを降り、部屋の前で荷物を下ろす。

「ありがとう。助かった」

「どういたしまして」

「...お礼にあげるわ。スリ〇ワンダーコア...」

ブッ。

またしても吹き出すリョウ。

「ダメですよ。当たった人がもらわなきゃ。それに、結婚式のご利益があるかもですよ?」

そう言われると、黙るしかない。
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