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第7章 千夏の結婚式
「あとは、1人で運べますか?」

「うん。なんとか」

「じゃ」

「ありがとね」

リョウは、自分の部屋のほうに行く。
といっても、すぐ隣のドアだ。

稜は、鍵を取り出そうとカバンに手を入れた。


ない!鍵がない!!

カバンの中に手を突っ込んで探す。

ない!!

そんな筈はない。
鍵はかかってるし、朝ちゃんとかけた記憶はある。

え?どこで落とした?ホテルなら、ここまでから車で一時間以上かかるし、いくらホテルとはいえ担当者などはみんな帰ってしまっているだろう。2次会の会場は完璧に閉まってるだろうし。3次会のカラオケは...。
あ、でも、式の前に美容院に行ったし...。

どのみち、どこもこの時間は開いてない。

稜は、軽く身震いをした。
さっきまで、お酒の力があったのか寒くなかったが、ドアの前で鍵を探しているうちに、すっかり冷えてきた。

カバンの中身を1コづつ出して広げてみる。そんなに大きくないので、すぐ空になる。

「鍵、なくしちゃったんですか?」

様子を見ていたのか、リョウが声を掛ける。

「...どうしよう」

稜は今にも泣き出しそうだ。

「ウチ、来ます?」

「!!!」

「なワケないかー。...よかったら、コレ」

リョウは、着ていた厚手のパーカーを稜の肩に掛けた。

「寒いでしょ。そんな格好じゃ」

稜は、パーティドレスにボレロしか着ていなかった。寒い筈だ。

暖かい。先程まで着ていたリョウの温もりがする。

「...ありがと」

「思ったんスけど。今朝家を出る時ってー、そのカバンでした?」

「!!」

確かに、今持っているのはパーティ用の小さなカバンだ。

稜は、慌ててボストンバッグの中に仕舞い込んでいる普段使っているカバンを探す。

「あ!あった!!」
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