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第51章 旅行 〜前編〜
そう言おうと、喉まで出かかったが、反撃に合いそうと思って言うのをやめた。

変わりに羚汰を軽く睨んでみた。

「はっ、そんな顔をされちゃうと、辞めれなくなっちゃいますけどー」

また近づいてくる羚汰の口を手で遮る。

「だめっ、もう行かないと間に合わなくなる」

「もうはー、やすんじゃいなよ。ね?んで、も1回しよ?」

稜の手をどかしながら、羚汰の口がまた近づく。
必死に逃れようとするも、もう片方の手でがっちり捕まえられていて身動きが取れない。

「...今日休んだら、旅行の時のお休み貰えなくなる」

そんなことも無いが、そうでも言わないと離してくれそうにない。

途端に、羚汰の手がパッと離れる。

「じゃ、早く行って!」

「もー」

急に離されて、バランスを崩す。
服も髪も乱れてしまっている。

「だって、エッロいんだもん。仕事モードの稜」

エッロいのはどっちだ。そんな格好で色気を振りまいといて。
私はいつもと一緒だ。コートだって着てるし。

疑問に思いながらも急いで服を整える。

靴箱のところにかけている小さい鏡で、急いで髪型をチェックする。
懲りない羚汰が後ろから腰に手を回している。

「だから、もう行くってば」

「はぁ。“イク、イク”ってそっちじゃないほーなら大歓迎なのにー」

稜の頭に頬ずりしながら、何やらつぶやいている。

「じゃ、今度こそ行ってきます」

「...行ってらっしゃい」

つぶやいた羚汰を無視するように言うと、軽く拗ねている。

私だって、羚汰と一緒にいたい。
一日中ゴロゴロしていちゃいちゃして過ごしたい。

振り向いて、稜から軽いキスをする。

「ほら、ホントに服着ないと風邪引くから。試験あるでしょー」

「んー」

稜からキスをしたことで少し機嫌がよくなってきた。

「旅行、...楽しみにしてて?」

意味ありげにそう言うと、羚汰の体がぴくりとする。

「じゃ、ホントに行ってきます」

これ以上触れていたら、本当に行けなくなる。

やっと羚汰も納得したらしい。

「行ってらっしゃい!」

本当に時間がない。稜は、大急ぎで駅に向かった。



電車に揺られながら、稜は考えを巡らす。

羚汰には、ああ言ったけど、旅行の時に何をするかまだ考えていなかった。
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