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NEXT 【完結】
第51章 旅行 〜前編〜
それから小一時間ほどかかって料理が完成した。

テーブルに料理を並べて、お皿やグラスも並べ、準備はバッチリ。

後は羚汰を起こすだけ。


ふとリビングの方を見ると、電気を付けていなかったので、日が暮れて随分暗くなっている。

フロアスタンドを付けてソファを覗くと、羚汰は熟睡している。

なんだかこのまま起こすのは可愛そうだし、私も慣れない料理作りに疲れてちょっと横になりたい。

ちょっと欲張って品数を沢山作りすぎたかもしれない。
でも、クリスマスの時羚汰が料理したのはもうちょっと多かった気がするしー。

料理に軽くラップや蓋をして、フロアスタンドも消し、大きなソファーで寝ている羚汰の隣に潜り込む。

いつもは羚汰が稜の背中にくっついて寝ているが、今日は羚汰が向こうを向いている。
暖かなその背中に手を回して、すこしだけ目をつむった。
ゆっくりとした呼吸が伝わって来て、すごく落ち着くー。


はっ、として目が覚めると、そこは真っ暗だった。

慌てて飛び起きる。

ちょっとのつもりが随分熟睡してしまったようだ。
ソファーが大きくて寝心地がよかった。

キッチンのほうから来る明かりを頼りに、フロアスタンドを付ける。

「んー?りょーう??」

稜の慌てた様子に、羚汰も目が覚めたらしい。
伸びをしながら起き上がってきている。

部屋の中をぐるぐる見渡して、やっと見つけた時計を見るともう8時が近い。

「羚汰っ!もう8時が来ちゃう!!」

「へっ!!8時???」

2人が驚くのも無理はない。

キッチンに荷物を持って入ったのは4時過ぎだ。
稜が料理を作り終えて、ほぼ2時間は経っている。

「うわっ。いつの間にか真っ暗じゃん」

羚汰が窓の外を見て呟く。

確かに、さっきより一段と夜の色が濃い。

「ごめんー。起こそうと思って、ついそのまま一緒に寝ちゃってた」

慌てて料理を確認すると、案の定どれも冷え切っている。

スープとオムレツは温めるとして、ステーキとパエリアはどうしよう。

半泣きになりながらバタバタとしていると、羚汰がまた後ろから抱き着いてくる。

「大丈夫だよ。冷えてても。落ち着いて?」

優しく撫で続ける手に力が抜けて、体を預ける。

「...羚汰、優しすぎ」

「ん?怒って欲しいの??」
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