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第52章 旅行 〜中編〜
今までより遥かに羚汰の腰が打ち付けられる。
その度に稜の体が腕の中で跳ね踊る。

「りょっ、たっ、あっ!...んぁああーーっ!!」

「っはぁあっ、...ああっ!」

体の中で、羚汰の放たれたものがゴム越しにもわかる。
いつもより大量に注がれる熱を、きつく抱きしめられる腕の中で感じていた。

荒い息をしながらまた舌を交わし、羚汰が口内を舐め回す。

「んはぁっ...はぁっ...スゴ過ぎっ」

「はぁっ。稜...スゲー可愛いかったから、止められなかった。大丈夫?体は、痛くない?」

「ん...」

そこで初めて、稜は自分の寝かされているものを確認する。
籐のようなもので出来た、寝ころべる長椅子のようなものだ。
高級リゾート地のプールサイドにあるような高級感のある大きな椅子で、寝かされている面には薄い布団のようなものが敷いてある。

湯冷ましのためのものだろう。
ジャグジーからほど近い窓際に置かれていて、外の景色が良く見える。

「とりあえず、痛くない...かな」

違う意味で、体が痛い気がする。

稜の髪を撫でていた羚汰がその一言でとりあえず一安心したのか、止まる。
オデコにキスを落としてから体を引く。

ペットボトルの水が手渡され、バスタオルが体にかけられたようだ。

「落ち着いたら、ジャグジーへ入ってて。俺も行くから」

なんとか頷く。
まだ羚汰のように起き上がれそうにはない。

大きな窓ガラスから、月夜に蠢く木々の先を寝転んだまま眺め、呼吸を繰り返す。

しばらくすると、シャワーの音が聞こえる。

そういえば、羚汰の髪、洗ってあげてなかったかも。

水を飲むためになんとか起き上がる。

ぬるいを通り過ぎて、少し温もっていたが、水が体を通って胃に到達するのがわかる。

水を飲むと、体が少しだけ回復した気がした。

タオルを椅子の上に置いて、少しためらった後、稜もシャワーに向う。

このままの体であのジャグジーに入るのが気が引けたからだ。

シャワーのドアを開けると、ちょうど羚汰が出ようとしたところらしく、驚いている。

「稜もシャワー?」

「うん、ちょっと...汗とか流したくて」

ふふっと羚汰が笑っている。

「じゃ、俺入ってるから早く来てね?」

近づいてくる羚汰から逃げるように、シャワールームに滑り込んだ。
捕まると長くなりそうだったからだ。
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