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NEXT 【完結】
第53章 旅行 〜後編〜
イチゴ狩りでのチュウや、お風呂場でのあれこれ、そして朝までの...。

数え出したらキリがナイが、いつもなら抵抗感を露わにして踏みとどまってしまうのを、思い切って受け入れていたのだ。

羚汰の頭を抱きしめる。

「ごめんね」

「は?なんで謝るの?」

「ジツはね...。千夏たちに言われたの」

「はあ?何を??」

話が飛躍するので、羚汰の眉間にシワが入っている。

「...うー。上手く言えないんだけど。ほら、私ってネガティブというか、後ろ向きに物事を捉えがちだから、さ。一緒にいて、羚汰が楽しいのかなって」

若い羚汰と付き合うこともそうだし、ラブラブカップルに慣れていない。
今までとは違うと頭では分かっているものの、あまりの違いに戸惑うことが多いのだ。

その状態に自分が流されてばかりで、羚汰のことを気遣えてなかった気がする。

今までの自分と一緒に旅行しても、きっと楽しくない。

もっと積極的に、そしてポジティブに。
羚汰が一緒にいて楽しいと思ってもらえるように。

その一歩として、まずは「嫌」って言う言葉をNGワードに。


なんとか稜が話終えると、羚汰の腕がより一層キツく回される。

「...よかった」

「え?」

「稜が謝るからさ。なんか悪いことかと思うじゃん!謝るのもNGワードにして!!」

「そんな」

羚汰が抱きついたまま、嬉しそうに笑っている。

「あー、でも超納得!昨日からの稜の行動が笑える」

「えっ。笑えるの??」

「それにさー。積極的なのは、大歓迎なんだけど。俺、稜に『嫌』って言われるのスキなんだけどなー」

稜の首筋に、チュッと音がして羚汰が一瞬吸いつく。

「ひやっ!」

羚汰が嬉しそうにケタケタ笑っている。

「もう。...びっくりさせないで〜」

「そっ。こーゆー表情とか」

今度は顔が近づいて、ゆっくり柔らかく唇が重なる。
甘いキスに体がトロける。

「...こーゆーのとか」

離れると、唇を指でぷにぷにと触る。

「と同じぐらい。『いやあっ!』って言いながら涙目で悶える稜が好き」

...それって、ドSってことじゃ。

「だから、たまには、『いやんっ!やめてぇ!』ってのもあってもいいよ。うん」

段々『嫌』のレベルがアップしている気もするけど...。

羚汰がにやりと笑って、キスの続きが始まる。
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