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第53章 旅行 〜後編〜
まずは、稜が作る。
先生がつきっきりとはいえ、なかなか難しく、ひーひー言いながらなんとか作り終える。

羚汰がスマホでその様子を撮っていたと気づいたのは、作り終えた後だった。

「笑える〜」

慌てふためく稜が沢山撮れたらしく、羚汰が笑いながら見せてくれる。

「見てるより相当難しいんだって!羚汰だって、こーなるんだからっ!」

「どーかなー?俺、結構器用だし」

その言葉通り、羚汰は先生もびっくりするほどスムーズに作り終えた。
先生の手直しがたくさん入った稜と違い、直すこともほとんどなかった。

仕返しに面白い写真をと構えていた稜は、拍子抜けだ。

「作ったことあったの?」

「ううん。はじめてー」

なんだか釈然としない。

出来上がったグラスは、後処理があるとかで、明日取りに来ることに。

工房を出て、今度はゆっくり歩く。

「そんなふくれないで」

「ふくれてない。すごく綺麗に出来てたから羨ましいだけ」

本当はちょっと悔しい。
やっぱりピザ作ってるからだろうか、とか全然関係なさそうなのにこじつけて考える。

「俺の作ったグラス、あげるから」

「えっ」

「で、俺は稜の作ったの使う」

「ええっ。そんな、いいよ」

先生に直してもらっても、稜のは羚汰のに比べるとなんだか不格好だ。
並べてみるからか、余計によくわかった。

「最初からそのつもりだったけど?」

「そうなの?」

羚汰がにっこり笑っていて、つられて笑ってしまう。

「じゃあ、あの色は私のイメージ?」

羚汰が選んだのは、濃い青と白が透明のガラスコップの底に水玉のようになるデザインだ。
派手好きな羚汰にしては、渋い色合いだと思った。

先に羚汰がその色に決めたので、稜も同じデザインで、赤と黄色にした。
同じデザインながら、華やかで賑やかなコップだ。
気にしていなかったが、羚汰のイメージなのかもしれない。

「稜は違ったんだね...」

今度は羚汰が軽くふくれている。

「ごめん。だって、知らなかったから、ね」

焦って羚汰に言い訳のように謝る。

「今ここでチュウしてくれたら、許そっかなー」

普通のトーンで歩きながらそう言うものだから、通りすがりの人が振り向く。

「!羚汰!」

「ほら、今なら誰も見てないから」

いやいや、さっき振り返った女性3人組がちらちらこっち伺ってますけど。
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