この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第53章 旅行 〜後編〜
そう言いながらも羚汰は止める気配はなく、より強く稜を求めて動き回る。
決して激しいわけではないのだが、羚汰の緩急をつけた舌使いに稜は文字通り腰砕けだ。
立っているのがやっとになってきて、声も出さずにはいられない。

「んっ...んもっ...めっ」

朝方から降っていた雪は、なんとかやんではいたものの、石畳の街並みでは底冷えがする。
キスの合間に吐息が漏れて、その度にほんわりと白い空気が立ち込める。
寒いはずが、体の芯から熱を発しているようで寒さを全く感じない。

「...だから声出したらダメだって」

やっと唇が離れたものの、顔を伝って耳元にそのまま舌が伸びる。

「だって...苦しくてっ」

荒い呼吸を繰り返しながら、羚汰に必死にしがみつく。
しがみ付いて周りを少し見渡すと、誰にも見られてはいない様で、一安心だ。

「...よかった。ん、誰もいないよ」

こんなキスをしているところを人に見られたくはない。
丁度路地の死角の部分で、もう少し先に小さなドアで『STAFF ONLY』とある。一般の人は入ってこなさそうだ。
それでも誰かに見られる前に、移動したい。

羚汰はまだ耳元を舐め回し、腕は壁から離れて稜の体を抱え込む。

「羚汰、誰かに気づかれる前に行こ?」

「...そーゆー意味じゃないって」

羚汰が耳たぶを甘噛みする。

「んぁっ」

「俺がヤバいの!...稜のそんな声聞いたら」

また顔が掴まれ、顎が引き上げられる。

「マジ止まんね」

ぞくっとする瞳で見つめられ、また舌が吸われる。
そのまま食べられてしまうのでは、と思うほど羚汰の口で覆われてゆく。

「はぁんっ...んんっ...」

キツく抱きしめられ、繰り返されるキスの嵐に、溶けてそのまま一つになるかと思われた。

まるで、これから先に続いて進んでゆくように思えて、体のナカから熱いものが溢れて止まらない。

肌に触れて欲しくて、羚汰の肌を感じたくて、無意識に体を弄る。

不意に動きが止まり、羚汰が見つめる。

「このまま部屋に行きたいけど、5時まで帰れない...」

「ふえっ?」

「今ちょうど掃除、入ってもらってるからさ」

苦しそうな顔をした羚汰が、稜をきつく抱きしめなおす。

部屋を出る前、バタバタと化粧や用意していた時に電話してたのは、それだったんだ。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ