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第53章 旅行 〜後編〜
あのロッジを出てからまだ1時間も経ってない。
もう2時間ほどは、外にいないといけないらしい。

稜の体を抱きしめていた羚汰が、少し体を離して稜を睨む。
睨むというより、やはりどこか拗ねたような目だ。

「くっそー。失敗した〜。こんなとこに連れ込んだ稜が悪いんだからなー!」

羚汰がちゅーしろって言い出したんじゃん!

そう言いかけた稜の口の横が、手でつまむようにされる。
当然、稜の口が前に押しつぶされ、変な顔だ。

「ひょっと、にゃにするにょ!」

「ぶっ!!」

自分で稜の顔を潰しておいて、羚汰が盛大に吹き出し笑いまくる。

「すごい顔〜。お腹痛い〜」

「もうっ!羚汰の顔もこうしてやる!」

「ふがっ」

稜は、羚汰の口に指を引っ掛けて、逆に横に引っ張る。

引っ張られるとは思ってなかったのか、驚いた羚汰の顔と相まって、なんとも言えない表情になる。

「あははっ。羚汰のが変な顔ー」

「稜〜!」

さっと手を引いて逃げようとする稜の手を、羚汰が捕まえる。

「ひゃっ!」
「あっぶな!何してんのー?」

咄嗟だったので、稜はさっき羚汰が肩をぶつけた窓枠の似たような箇所に軽く肩をぶつけた。
羚汰が引っ張ってくれなかったらもっと強くぶつかっていた。

「大丈夫?」
「大丈夫...びっくりしただけで、そんな当たってない」

羚汰がくすくす笑いながら、稜の手を引っ張って路地から歩き出す。

「もー。危なっかしいなぁ」

手を繋いで、石畳を歩く。

「ごめんね。自分でも壁に激突するとは思ってなかったから、びっくりした」

「ちょいちょいやるよね、稜」

羚汰のくすくす笑いが止まらない。

「え?そうかな?」

「そうだよ!いつかタックルしてきてさ、俺コケて頭打ったでしょー。寝ててもエルボーかましたり。そういや、エレベーターで開いたと同時に突進して頭突きしてきたこともあったよね?挙げだしたらイッパイあんじゃん?」

「うっそ、そんなに!?」

そう言われてみれば、どれも思い当たる。

「う...ごめんね」

「会社とかでもそーなの?」

「そんなことないよ!」

たぶん...。

そんな事になっていたら、どれだけ数子をはじめ皆にイジラれてしまうか。

「タックル稜は、俺だけが知ってるってこと?」

そんなネーミングはやめて欲しい...。
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