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第53章 旅行 〜後編〜
2階へ続く大きな階段は、白いタイルで覆われていて、手すりは深い緑で細かな花柄模様の入った格子だ。
シャンデリアというほど大袈裟なものではないが、綺麗なランプがいくつも下がっていて、結婚式に大人気というのがよくわかる。

階段の横には、白で統一されたソファがいくつも並んでいて、ちょうどチェックインの時間だからか、人がそこそこ溢れていた。
稜と同じように、階段を見上げたり、写真を撮ったりしている。
年配のご夫婦や、落ち着いた女性グループなどか多く、子ども連れや、学生グループなどは見当たらない。

そうよね、高いもんね...。

なんだか自分が場違いのように思えて、モジモジしてしまう。

「稜、りょーう!」

「あ、ごめん」

「さっき言ったとこも、早くなら空いてるって」

やはり土曜日なだけあって、どこも予約が入っているらしい。
お昼が、朝と一緒のパンケーキなので、少し早くても食べれそうだ。


さっきとは逆方向に歩くと、ほどなくその古民家が見えてきた。

同じ敷地内に、陶芸体験コーナーの建物や、釜がある。
建物の中には、ギャラリースペースもあって、そこをブラブラしながら時間を潰す。

陶芸体験コーナーで、土をひねっている人達がいて、少しその様子を見学もした。

「陶芸は、私したことあるよ。こっちなら自信あったのにな〜」

千夏と何年か前旅行した時に、その土地の焼き物の体験教室に参加したことがある。
ロクロなど使わないタイプだったが、なんとかカタチになった。
ガラスと違って、ゆっくり自分のペースで作れるから、焦らずにすむ。

「へ〜」

羚汰がにやりと笑っている。

陶芸も上手くこなしそうだ...。
やってもないのに、なんだか悔しい。

羚汰がたまらずといった風に吹き出す。

「稜は、なんでそんなに俺と対抗したいの?」

「...別に」

対抗、というとなんだか印象に悪い。

「羚汰はさ、何か出来ない事とかあるの?」

料理は出来るし、運転も、ガラス作りも。
普段から部屋も綺麗だし、服装もちょっと派手だけどおしゃれだし。
英語が喋れて、イタリア語もペラペラで。
女の子の扱いは慣れてるし、モテるし。
お酒は強いし、甘いものだってイケるし。

数えだしたらキリがない。

「んー。なんだろ。高いところは苦手だよ?」
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