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NEXT 【完結】
第53章 旅行 〜後編〜
「びっくりしたー。稜、ここ割れ物だらけなんだから、危ない...」

「ごめんね」

抱きついたまま謝る稜の手を、羚汰の手がそっと解くように指を絡めてゆく。

「なんで謝んの?」

確かに。なんで謝るのだろう。でも他に言葉に出来そうにない。

いつもとは位置が逆だ。
稜が、羚汰の耳元で囁く。

「...じゃあ...大好き」

ふふっと羚汰が笑う。

絡めた手がぐっと引き寄せられ、瞬く間に羚汰の腕の中に抱きしめられる。

「俺のが大好きだから」

同じく耳元で囁かれ、その甘い囁きに稜の体にぞくっと鳥肌が走る。

「うぉっほん!」

はっと気づくと、稜たちのすぐ側で初老のおじさんが咳払いをしている。
店内はそこそこ人が居て、明らかに注目されている。

おじさんの手元には焼き物がある。同じものが羚汰の膝のあたりにあって、それが取りたいらしかった。

「すいません!」

2人で慌ててその場を離れ、そのままその店を後にして、隣の古民家に移動する。

「やっば。怒られるかと思った」

「ちょっと赤くなってたよ。あのおじさん」

2人で笑い合う。


レストランの時間は少し早かったが、店内に入れてもらえた。

古民家を改装しておしゃれになった店内は、囲炉裏がいくつかあって、そのなかの1つに案内される。

大きな囲炉裏をぐるりと取り囲むようになっていて、並んで座る。

予約してあったので、座るとほどなく料理が運ばれてきた。

車でロッジまで戻らなければならないので、お酒はの飲めない。
稜は飲めばいいよと勧められたが、羚汰が飲めないのに1人飲んでも楽しくない。
また帰って飲めばいいいからと、暖かいお茶で乾杯だ。

先付けとして、綺麗な小鉢に入った料理がいくつか出てきてから、ボタン鍋の登場だ。

2人とも初めて食べるボタン鍋に驚きつつ、しっかり食べて堪能した。


「うー。お腹いっぱい!美味しかった〜!」

「だね。どれも美味しかったけど、最後の雑炊がマジ美味しかった」

「ほんと!あれは食べ過ぎちゃう」

2人で笑いながら、車のあるホテルエリアまで歩いて帰る。

ライトアップされたホテルの町並みがとても綺麗だ。
雪がいつの間にか本格的に降り出している。

「まだ早い時間なのに、真っ暗だね」
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