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第53章 旅行 〜後編〜

せっかく羚汰の吐息を聞こうと思っていたのに。

そう思う反面、羚汰がこうしてくれるのを待っていた気もする。
激しく動かさる振動に、羚汰にしがみ付く。

髪がふり乱れて、汗で自分の体だけでなく羚汰にも張り付いているのがわかるが、もうそれをどうにかする余裕などない。

我慢しようと思っていた自分の声も、羚汰の宣言通りに押えなど効かなくなる。

「あ...ああっ、あっあっ...も、もうっ」

必死に耐え自分でなんとか動いていたのに、あっと言う間にイってしまう。

体を軽く仰け反らせて痙攣させると、そのまま羚汰にまた身を預ける。

羚汰が顔を上げて待っていて舌が絡まり、そのまま羚汰が起き上がって来る。

太腿が持ち上げられ、深くより奥まで当たる感覚に、羚汰にまたしがみついて耐える。

「やっ、あっ、まだっ」

羚汰の吐息が首元にかかって、イったばかりの体に怖いくらいのゾクゾクとした快感が走る。

また羚汰に髪を撫で上げあられ、唇が吸われる。

「これ、好きでしょ」

少し見上げるような羚汰のその顔に、稜の体のナカが締め付けられる。

「...っ...す...きぃ」

嬉しそうな羚汰の顔が近づいて来る。

その顔をこの距離でずっと見ておきたいという気持ちと、舌を重ねたいという欲望にまみれて頭がぐちゃぐちゃだ。

羚汰の唇に指を掛けると、ピンク色の舌がその指を舐める。

「俺も」

かろうじて聞き取れる程度の言葉を発したとほぼ同時に舌が絡まる。

「んんっ...ぁっ、んああっ」

体に巻きついた腕が、大きく体を揺さぶって稜の体の最奥に衝撃が走る。
何度も何度も押し寄せる起伏の波に、稜は必死で羚汰の背中に腕を回ししがみ付く。
自ら腰も振ろうと努力をしかけてみるも、羚汰の力強い動きに翻弄され動くこともままならない。

徐々に激しく動き回りぶつかるカラダに、汗で手が滑りそうになるのを、指を立てて必死に抗う。

「んぁあっ、んんっ、んっ」

「ああ...」

羚汰のセクシーに響く声が首元でして、荒い息もさっきから肌にかかっている。
そのことが稜をよりオカシクしてゆく。

「あっあっああっ、もっもうっ、ダ...オカシくっ、なるぅっ」

「イイよ。...稜。言って？ダメって言って？」

羚汰の指が胸を掴んで頂きを食まれる。
舌で捏ね繰り回され、歯を立てて引っ張る。