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第53章 旅行 〜後編〜
「...んああっ、それっ、それだめぇえっ!!」

噛まれた先から激しく全身にしびれが走り、果てに追いやられる。

大きく痙攣している体を尚も揺さぶるので、稜は天井を仰ぎ嬌声を響かせる。

「っやあっ、はっ、激しっ、ああっ、ホント、もうっだめっ」

だめと言いつつもっとして欲しくて胸を突き出すようにして羚汰の頭を抱える。

「イイね。もっと、もっと俺でイッパイになってっ」

「りょ...りょったっ、ああっ、もうっ、また...っちゃうっ」

また痙攣が走って、倒れそうになる体を羚汰が必死でつなぎとめて、自分に引き寄せる。

それでも離れそうになる稜の体を、皺くちゃになっているバスタオルの上に寝かせる。

稜の髪を撫でてから、体を起こそうとするも稜の腕が巻き付いて離れない。

頭がさっきから真っ白で、羚汰の顔ももう涙なのか霞んで見えにくかったが、回した腕を引き寄せ体も起こして、羚汰の唇に舌を伸ばす。
艶めかしく舌が交わされ、唾液が行き交う。

「...んっは...イっちゃヤだ...」

「はっ」

羚汰の腕が今一度稜に巻きつき、互いの体を引き寄せ、また舌が交わされる。

「んんっ...っ、あっ、はああっ」

きつく抱きしめられた羚汰の腕の中で、稜の体が激しく跳ね上がる。

何度も何度も繰り返されるその律動に、もう自分がどんな声をあげているのか、どうなってしまっているのか、何も考えることは出来なくなってしまうー。







気づくと、羚汰に後ろから抱き抱えられ、暖炉の火を見ていた。

「ん...」

「気づいた?」

羚汰が後ろから顔を近づけて、首筋にキスを落とす。

「ごめん、寝てた?」

「...ちょっとだけ」

羚汰が柔らかく笑っている。

「大丈夫?」

「ん...」

羚汰の肩に頭を乗せてもたれかかる。

赤い暖炉の火が揺れて、心地よい。

「結構モツんだね、薪って」

「いや、消えてたんだけど、つけ直した」

くすくす笑いながら、稜の髪をよけてうなじにキスを落とす。

「そうなの?」

いつ消えたのか全然気づかなかった。
そして、いつの間につけたのかも。

振り返ったところに、唇が柔らかくぶつかる。

「ん...」

ゆったりとキスが交わされる。

「ベッド、行く?」

「うん...」

羚汰に手を引かれて、ふらつきながらもベッドへ移動した。
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