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第54章 旅行~羚汰side編~
朝靄がまだかかる狭い谷間に、稜の喘ぎ声が響いている。

躊躇いがちかつ少し羞恥心の残る声だったのが、いつの間にか悦びに溢れ甘く色を増して大きくなって来ているように聞こえる。

「あっあっあっ、んっ、んはぁあっ」

「...気持ちイイ?」

後ろから、稜の太ももの前を支えるようにして、後ろから抱きつき突き続ける。
羚汰の腕にしがみつくように腕を回し、なんとか律動に耐えながら、その体を揺らしている。

「んっ、んんっ、...あっ、そこはぁっ」

指を稜の好きな場所に沈ませて、その膨らんだ場所を揺さぶる。
その刺激に稜の体が小さく震え出す。

「やっ、ああっ、立ってられなく、なっちゃうううっ」

体をくねらせて、懇願するように顔を羚汰のほうへ向ける。
その唇を追うようにしながも、羚汰の動きは増してゆく。

「そんなに気持ちイイ?」

「あっああっ、いいっ、けどっ、...あああっ」

大きく体を痙攣させ、稜が果てる。

羚汰はそのまま少し移動し、稜の手を岩につかせ、片足を別の岩に乗せてゆく。

「はんっ、こんな格好、恥ずかしいっ」

口ではそう言いながらも、嫌がる素振りはない。
イったばかりの顔を羚汰に向け、誘うかのようにお尻を突き出している。

「エッロ...」

そのくびれた腰を引き寄せ、上から打ち付けるかのように腰を振り入れる。
蜜がねっとりと太ももを伝うほど溢れ出ていて、動く度に足元の水音に負けないぐらいの音がしている。

「ああっ、ぁああっ、りょうたぁっ、もうっ」

稜の体もナカもうねるように動いて、羚汰を奥へとより突き動かす。
声が一層響いて、谷の外にも聞こえていそうだ。

「ああっ、俺もっ、すっげー、気持ちイイっ」

羚汰のその声もが、体を刺激し稜が果に連れていかれる。

「んっ...あぁ、もぉだめぇえっ!」

おおきくくねらせた稜の体が、お湯の中に崩れ落ちそうになる。

その体を羚汰は支えて、キスを落としながらまた体勢を変えてゆく。

「はぁんっ、もうホントにだめ...」

羚汰の首にしがみつきながら、吐息を漏らすように、か細くだがそう訴える。

「ん?じゃ、もうやめる?」

稜の好きな体位になった瞬間、そう羚汰が聞く。

完全にお湯から出た稜の体に手ですくったお湯をかける。

羚汰に全身でしがみつきながら、稜がその耳元で囁く。

「...やめないで」
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