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第54章 旅行~羚汰side編~
あはっ。可愛すぎだろ。

必死にしがみつく稜の体を少し引きはがそうとすると、余計にしがみついてくる。

「稜...。ごめん。辞めないから」

稜の頭を撫でる。

恐る恐る体を少し離した稜が、羚汰を覗き込む。

目にいっぱい涙を溜めて、薄く開いたその色っぽい唇から、甘い吐息を繰り返している。

汗で張り付いた前髪を横へ流して、顔を近付けその額にキスをする。

「寒くない?」

稜が首を振ると、溜まっていた涙が零れ落ちる。
その滴が綺麗でなんだか勿体なくて咄嗟に指先で拭い、口に入れる。

「りょうた...」

堪らず稜から唇が重なる。

動かずにいたのが、そうとう焦れったかったらしい。
ゆっくりと腰も動かし始める。

岩の上に腰掛けていたので、少しゴツゴツした感触がお尻に当たるが、そんなのは全く苦にならない。

ベッドの上とは違い、動きがなかなか上手くいかない。

片手を後ろについて、少し体を後ろにやる。
稜の可動域が広がって、おおきく滑らかな腰遣いになる。

「んっ、ああっ、ああっ」

自分で動かしておきながら、気持ちよさで悶え嬌声を響かせる。
なんともエロチックなその姿で、羚汰を煽る。

悶えて目を伏せている、その顔が見たい。

「...稜。こっち見て?」

緩やかな律動を繰り返しながら、稜がこちらを向く。

黒くて綺麗な目に艶やか色をたたえてこちらを見るだけで、羚汰の血がそこへ集結するかに思えた。
ナカで一際存在を大きくしてゆく。
稜が跳ね上がるように動き、もはや制御出来ない程になっている。

「ああっ、すごっ、そんなっ」

「...っ、締めすぎ」

動きが止まりそうになる稜の腰を掴んで、羚汰が大きく揺さぶる。

「ああっ、もう、もうっ...ぁああああっ!!」

体をわななかせ、稜が果てる。

その腰を尚も掴んで、自分の腰を突き上げるようにして、羚汰がラストスパートをかける。

「...っ、あっ!そんなっ、...ああっ!!」

イったばかりの体に次々と押し寄せるより激しい動きに、イキっ放しのような状態だ。

羚汰にしがみついてその体を預け、繰り返される律動に痙攣しながらも体を委ねる。

「りょ、...りょうたぁっ」

「くっ、稜っ...あ、ああ...」

稜の体を抱きしめて、その激しくうねるナカに、ゴム越しではあるが熱い欲を吐ききった。








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