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第57章 春愁
フォークでタルトをつつくのを諦めた千夏が、笑いながら手でワイルドに口へ運んでいる。
小さなカットなのもあって、パクパクっと2口で食べきった。

千夏のところは、出会ってもう10年以上になる。
稜の記憶と計算が正しければこの夏で15年目のハズだ。
相変わらず今もラブラブなのだが、職場でも家でも一緒に居るので、長時間離れることのほうが珍しい。

この3人での月1のランチやカフェが、唯一の長く離れる時間なのだとか。

「少し離れたぐらいのほうが、次盛り上がるかもよ?」

「あっ、言えてる〜。ウチも1泊程度の出張がたまにあるけど、帰ってきたら何かいつもとは違うスイッチ入るのよねー」

大手企業に勤める貴之は、残業も多く疲れて帰ってしない日も多いのに、なぜか1泊でも出張のあった後は盛り上がるらしい。

「そうそう!この前、千夏の家に泊まらせてもらったじゃない?あの次の日はすごい甘えてきて、ずっともう離れないの。すごい久しぶりに外泊なんかしたから」

家族でちいさな建築会社を経営しているので、社員旅行といっても、ほぼ家族旅行になってしまうし。
他の工務店などと飲み会はあっても、出張はない。

初と言ってもいいほどの有希子の外泊に、有希子自信もドキドキして迎えた。
当日はなんとか乗り切ったものの、次の日の朝にさみしくなって来たらしく。
有希子が家に帰ると、子どもたちよりも尚が甘えてきたらしい。

「えっ。あのガタイで離れないの?なんか、かわいい〜」

尚は、そんなに身長は高くないものの、職業柄体格がよく、日にも良く焼けている。
格闘技家といっても通用するぐらいで、そのガタイの良さから、若い頃はやんちゃをしていた。

「可愛くないよ。腕の辺りはムキムキしてるけど、お腹はぽよっとしてきたし、普通におっさんよ?それが、“ママ〜”とか言って擦り寄ってくるのよ!?」

稜が何度か会った時の尚はクールを装っているのか、そんな甘えた風には見えない。
人は見かけによらないのだろう。
稜は千夏とちがって苦笑いするしかない。

「えー、でもエグザ〇ルのヒ〇なんでしょ?」

千夏がにししと笑いながら、シュークリームにかぶりついている。

「ああ。それが、あのチョビヒゲと長髪オールバックやめたのよ」

これには、稜も千夏も一瞬息が止まる。

「え。家族全員で止めてもやめなかったって言ってなかった?」
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