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第57章 春愁
それで、待っている時間にー、と稜に電話をしてきた。

時計を見たら、もう2時が近い。
稜も寝ていたのを、羚汰の電話で起こされた。

しかし、アキラという人物は、確か三十代半ばの筈なのに、随分若い遊び方を...。

週末ならまだしも、今日は平日だよね?
あ、でもあの業界の人たちに週末は関係ないのか。
逆に平日の方がよかったりするのかな。

「羚汰は...?」

美女たち、という言葉に少し不安を覚える。
聞いてもはぐらかされたら終わりなのだが、つい口に出てしまう。

「俺はそーゆーのはもう卒業したから、安心して」

笑って羚汰が否定する。

でもきっとモテるだろうな。
クラブ遊び、昔は激しかったって、ユウくんが言ってたし。

VIPルームとかあるって、おっきくて豪勢なカンジなのかなー。
そこで、何のかわからないけど、パーティ...。
そして美女たち...。

ハリウッド映画のワンシーンを思わず思い浮かべる。

稜も随分前に地元の小さなクラブに、千夏に連れられて行ったことはあるものの。
狭い場所にぎゅうぎゅうと人が立ち込める、その雰囲気があまり好きにはなれなかった。
なので、クラブには詳しくない。
ハリウッド映画ぐらいしか、思い浮かばないのだ。


思わずいろいろ考えて黙っていると、電話の向こうでまた優しい声がする。

「ここのところ、ずっと俺も断ってて来てなかったんだけど。今日のパーティに俺の会ってみたい仕事関係の人も来るって言われてさ。だからホント、遊びに来たワケでも女のコあさりに来たワケでもないから」

「...そっか、...大変だね」

アキラさんは違うみたいだけど。

そう言って羚汰がまた笑っている。

「でも、そろそろ戻んないとヤバいかもなー」

羚汰が、電話の向こうで伸びをしている。

「いい加減帰りたいんだけど、もう帰れるかなー。スーツが窮屈でさ、早く脱ぎたいんだよねー」

スーツ?羚汰がスーツ??

ふとこぼした羚汰の言葉に、反応してしまい、声に出ていたらしい。

また羚汰が笑っている。

「こっち来て、アキラさんに、どっかブランド連れてかれて買わされた。買ってくれんのかと思ってたのに、給料から引くって。ヒドくね?」

ふてくされる羚汰が電話の向こうに想像出来て、稜もつい笑いがこぼれる。
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