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NEXT 【完結】
第57章 春愁
やっと聞けた稜の笑い声に安心したらしい。

「...じゃ、俺、そろそろ行くね。こんな時間に起こしてごめん」

「ううん。電話、嬉しかった」

「俺も。エロい声じゃなかったけど、稜の声が聞けてよかった」

忘れていたのに、思い出して笑ってしまう。

「3週間長かったけど、もう、あと数日で会えるから」

「うん」


「好きだよ、稜」

「...うん。私も」

甘く囁かれて、胸がぎゅうううっと苦しくなる。
返事をするのがやっとだ。

少しの沈黙が続く。

「...稜?」

「?」

「言ってくれないの?」

呼吸が止まってしまう。

何のことかはわかるだけに。

「言って欲しんだけどなー。“私も”だけじゃなくて」

恋人同士の典型的なラブラブ会話に、稜は恥ずかしくなる。

自分がこういう会話をするようになるとは思ってなかった。
ドラマや漫画の中だけのことだと思っていたのに。

「...私も、...羚汰が好き」

誰が聞いてるわけでもないのに、恥ずかしさのあまり、ちょっとかたくなってしまう。

「...なんか。もっと可愛く言って」

確かに今のは失敗だったと自分でも思うけど。
やり直さす??余計、恥ずかしいんだけど。

一呼吸置いて、少しリラックスしてからもう一度。

「...羚汰が好きよ」

電話の向こうで羚汰が少し考えてから、唸る。

「なんかー、なんだろ。色気が足りないのかなー」

えっ。またやり直し?色気って言われても

「好き...」

「...もう1回」

少し吐息混じりに言ってみたのにダメだったらしい。

「...好き」

「もう1回」

「好き!」

「まだダメ」

「すーきっ」

「まだまだ」

何度も何度もやり直しさせられる。

稜も次第にムキになってしまう。

何が足りないのかな??

イメージを膨らます。

「す...き...ぃ」

イメージはマリリンモンローでやってみると、羚汰が堪らず笑い出す。

こっちは真面目にやってんのに!!

「ちょっとー!」

「あはは。ごめん。好きってイッパイ言ってもらって嬉しい。そんなに俺のこと好きなんだー?」

そこで、羚汰の策略に気付く。

ワザと!?!

電話の向こうで、ドヤ顔で笑う羚汰が思い浮かぶ。

くうっ!悔しいっ!!

「でも俺のが好きだけど」

またさらりとそういう事を...。
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