この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第58章 3週間ぶり
「ちょっ、羚汰っ、ここ会社!」

「誰も居ないよ?」

身をよじって逃げようとするも、面白がってか、なかなか離してくれない。

「営業さん帰ってくるかもだし、ダメだよ」

「えー。いいじゃん。事務所とかって、何かエロくね?」

稜に抱きついたまま、入口の位置から事務所の中を軽く見渡している。

稜は、1人なので自分の上と、入口の電気以外は消していた。
全体的には薄暗い印象だ。

何を考えてんの!
AVじゃないんだから。

そう返すのもそれを意識してるみたいだし、無言で軽く睨みながら、胸のあたりを押してなんとか体を離す。

「ちぇー」

しぶしぶといったカンジで、それでも楽しそうに羚汰が腕の力を弱める。

「じゃ、帰ろ」

「...うん」

落ち着いて羚汰を見ると、そのスーツ姿に、今頃ドキドキしてきた。

上にブルゾンを羽織っているので、はっきりとは見えない。
でも、落ち着いた紺色のスーツに、白っぽいシャツ、そして鮮やかな青色のネクタイできりりとした首元が見えて、なんだかすごく色っぽい。

「羚汰...。スーツなんだね」

羚汰の胸元に押し当てていた手で、ネクタイのあたりをゆっくり撫でる。
肌触りがとてもよくて、上質なものなのがよくわかる。

「うん。誰かさんがさ、スーツに反応してたから。見てみたいのかなって」

羚汰がにやりと笑っている。
稜がよく見えるように、両手を広げブルゾンの前を開ける。

紺色のシャープなデザインのスーツは、いつもより一層スラリとして見える。
あのスーツの下に、引き締まったあの体があると思うと胸がきゅううっとなる。

「どう?イケてる??」

見とれている稜に、羚汰が笑って、ワザとに聞いてくる。

「...うん。カッコイイ」

素直にそう告げる稜をまた抱きしめる。

「よかった。着て帰って」

「っ、だから、会社っ」

「ちょっとだけ〜」

ぎゅうっと抱きしめられ、またあの匂いに包まれる。

久しぶりに羚汰に抱きすくめられて、稜もその背中にゆっくりと腕を回す。

羚汰が、帰ってきた。

3週間が凄く長く感じて、凄く寂しかった。
電話やLINEで連絡をしたり、テレビ電話したりしても、やはり離れているのは寂しい。

「稜...。会いたかった」

「うん。私も」
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ