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第60章 Downstairs
髪を振り乱し体を痙攣させて稜が果てると、その髪をかき上げて羚汰が唇を寄せる。

荒い息の中、唇が重なってより一層抱きしめ合う。

その体を羚汰がぐるりと反転させ、稜を組敷く。

「んっ...はぁっ...」

「稜、もうちょっと付き合って」

羚汰がそう言うと、稜の曲げた両足を合わせるようにして持ち上げ、緩急をつけてまだ痙攣の残るその奥を突き始める。
その律動に合わせて稜の体が大きく揺れ、喘ぐ声がより部屋に響き始める。

「んぁああっ、ああっ、すごいいいっ」

「...はっ、ああ、もうヤバイ」

時間が無いから早くイこうと思ったのに、あまりにも気持ちが良すぎて、もっと留まりたい衝動に駆られる。

悲鳴に近い嬌声を上げ続け、弓なりに反り返ろうとする稜に体を近づけて、最奥目掛けて上から大きく振り入れるようなグラインドを繰り返す。

「稜っ、...くっ、イクよっ」

「ああああっ!...んああああっ!!」

言葉にならない声を上げてイキ続けている稜のナカに、羚汰が最後の力を込めた。

「...ああっ!」

奥へと蠢くナカに欲を出し切ると、力尽きて稜の上に崩れ落ちる。

稜が驚きながらもそんな羚汰を抱きしめる。

「スゲー気持ちが良すぎて、ヤバかった」

汗ばんだというより、汗が垂れるほどの顔が近づいて唇が重なる。

「すごい汗...」

手の平で羚汰の額の汗を拭う。
ふふっと羚汰が笑って、稜の髪を撫でるように耳後ろに流す。

「稜もね」

二人で笑いあって、またキスをした。

「一緒にシャワー浴びよっか」

「そんな時間ないよ。早く浴びなきゃ。ごはんも...」

そう言う稜の口に、ちゅっと唇が重なる。

「お腹いっぱいだからいい」

「へっ」

「朝ごはんは、今いただきましたー」

またちゅっと重なる。

意味がわかった稜が、羚汰の胸を押しのけながら、顔を赤くして背ける。

「...もうっ」

笑いながら、やっと羚汰が離れた。



大急ぎでシャワーを浴び、髪が生乾きのまま、やっと羚汰が出掛けた。

チャリで駅まで向かうと言っていたので、なんとか間に合うだろう。

稜は、しっとりと濡れてはいたが、今は換える気力がない。
そのまま布団にくるまって眠りについた。
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