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第60章 Downstairs
本当にそう思っていたのに、そんな疑いの眼差しを向けられて居心地が悪い。

「羚汰は、何か食べたいものとかお店があるの?もしあるなら、それで...」

「それだと意味無いじゃん」

羚汰が怒ったように、ベッドに体を投げ出す。

「...羚汰?」

慌ててベッドに腰掛け近づく。

「フツー、こういう時って、イイトコで食べたがったりすんじゃねーの?なのに、なかやまって」

布団を被るようにしてブツブツ拗ねている。

「そんなことない。羚汰が何食べたいって聞くから...」

背中を向けている羚汰の肩にそっと手を伸ばす。

「だって、久しくおっちゃんとおばちゃんに会ってないし。私たちにとって思い出の場所でしょ?あの時みたいに、なかやま行って、帰りに公園寄ろうよ。まだちょっと早いけど、きっと桜が膨らんでるよ」

そこまで言うと、羚汰が振り返った。

「...ほんとに、なかやま?」

「ながやまがいいの!!」

「なかやま、...安いよ?」

「おでん、今限り食べて、食べ尽くすもん。お惣菜も片っ端からぜーーんぶ食べるし」

おでんはともかく、通常お惣菜はカウンターの端から端まであって、到底食べ切れる量ではない。

ぷっと羚汰が笑った。

それを見て、稜も安心して笑いがこぼれる。

羚汰の手が伸びて、稜の顔を触る。

「じゃ、なかやまにしよっか」

「うん!」

羚汰が起き上がってきて、唇がチュッと触れる。

見つめ合って、そんなキスを繰り返す。

「...羚汰。もう行かないと」

羚汰の腕がまとわりついてきて、ベッドに引きずり込まれそうだ。

「稜も休みならいいのに。休めば?」

「この忙しい時期に無理!」

「ちえー」

ワザとらしく羚汰がベッドに仰向けになったので、稜が立ち上がる。

「じゃ、行ってくるね」

「んー。いってらっしゃーい」

なんとか機嫌が治った羚汰を見て、稜はやっと会社に向かった。





久しぶりのなかやまは、美味しくて。
カウンターの端から端までとはいかなかったが、いつものようにたくさん食べた。
半数ほどが春のメニューになっていて、気になってお腹が本当にはち切れんばかりになるまで食べた。

帰りに寄った公園も、まだまだ桜は色を見せなかったが、手をつないだままブランコで並んで座って。

家に帰って蕩けるまで愛し合った。
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