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NEXT 【完結】
第61章 お花見
来週、千夏の家ーというより、千夏夫婦の実家の庭で、花見と銘打った大宴会が行われるらしい。
親戚や近所の仲良しさんなんかが大勢集まって、入れ代わり立ち代わり20〜30人の大宴会らしく。
義両親が千夏も友達を呼べばいいと。

そんなよその家の宴会に、稜としかも羚汰が誘われて疑問に思っていると。
有希子の家族も呼んでいるから、と。

宴会好きの千夏の義両親は、年末年始も大騒ぎで。
毎日、人がやって来てはひっきりなしに宴会になり。
嫁に行って初めての騒ぎに、千夏は毎日くたくたになったらしい。
しかも、結婚式に来てなかった人たちにお披露目もあったらしく、千夏は引っ張りだこで。
料理とか手伝いとかよりも、酌をして回って愛想を振りまいて、大変だったらしい。

また1日それではしんどいと、是非2人には来て欲しいと懇願してきた。

そうすれば、稜たちや、有希子たちが来てるからー。という名目で、少し紛れるだろう。

そんなことで、是非そのまま夜も泊まって欲しいと頼まれている。
そうでないと帰れない、と。

母屋は夜通し宴会が続くらしく、夫である貴之はおそらくそこで酔いつぶれるだろうし。
有希子の家族も泊まるし、遠慮はいらない。



そう随分前に頼まれて、稜たちはその予定にしていた。

羚汰はバイトの都合で、どうしても夜はバイトが休めないらしく。電車の都合上、もう一度帰ってきて泊まることも出来ないので、夕方までの参加になるのだが。

「来週のは花見っていうか、ただ飲みたいだけの大宴会でしょ」

「うーん。そうなのかな」

大きな庭には小さな桜があって、一応それを見ながらってことにはなっているらしいが。

「俺、去年は引越しやら手続きやらでバタバタしてて、花見してないんだよね〜。落ち着いたら、桜散ってた」

「...羚汰、桜好きなの?」

なんだか意外だ。

羚汰が、というより、そこまで桜や花見が好きな男性に会ったことがない。
宴会やバーベキューや、そちらが好きな人はいるけど。

「んー。あー、そうかも」

そう言いながら、布団の中稜の胸にしがみつくように抱きついてくる。

「恋人と桜並木とかいちゃいちゃして歩きたいじゃん?」

何気ないようで恥ずかしい台詞をまたサラリと言ってのける。

「季節も心も春ーっカンジで」

そう笑って言いながら、触れた肌にまた舌を這わせ出したー。
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