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第61章 お花見
「ごめんね。起こしちゃった」

「んー。大丈夫。そんな寝てない」

羚汰が向こうを向いていた顔を、仰向けにしてくる。
明らかに寝起きの顔で、可笑しくて笑ってしまう。

「嘘っ。寝てたよー」

「目瞑ってただけだし」

何の抵抗だろう。よく寝てないアピールをしてくる気がする。

「寝転ぶと気持ちいいよ。稜も寝転ぶ?」

「えっ。いいよいいよ。狭いし」

ビニールシートはふたりが寝転ぶほど広くない。
現に寝転んだ羚汰のお尻から足先にかけては、芝生の上に出てしまっている。

「いいじゃん。俺の上に...」

「いくらなんでもそれは無理!」

「...あ、でもそーしたら膝枕じゃなくなるかー」

当然のことに気づいて笑っている。

「膝枕って、気持ちいい?なんか変なカンジなんだけど」

「重い?」

そう聞かれて首を横に振る。
膝の上に人のぬくもりがあるのが、なんだか落ち着かない。

羚汰の腕が伸びてきて、頭を撫でられる。

稜の片手も羚汰の頭にあって、互いに頭を撫であっている状況だ。

その状況を傍から見た図を想像すると笑えてくる。

羚汰も気づいたのか、笑っていて。
何故かそのまま顔が近づいてきた。

引き寄せられるように、唇が軽く重なる。

優しく触れるだけのその口付けは、甘くて体から力が抜けそうになる。

羚汰の頭の重みを膝に感じて我に返る。

慌てて周りを見渡すも、とりあえず誰とも目が合わなかった。

そんな様子を羚汰が見てくすくす笑っている。

「だから誰も見てないって」

「だってー」

いつの間にか繋いだ手の指が深く絡まるように動かされ、なんだかイヤラシイ。

「ヤベぇ...幸せすぎるかも」

にまにまっと笑って羚汰が呟く。

羚汰に見つめられ、なんだか段々顔が火照ってきて、稜は空いている手で顔をパタパタ扇ぎながらさり気なく他所を向く。

「天気はいいし。桜は綺麗だし。程よくお腹いっぱいで...」

確かに、今日はお花見日和だ。
明日あたりから数日雨が降るらしい。
まだ五分〜七分咲ぐらいなので、その雨で散ってしまうことはないと思うが、今日の方が綺麗だろう。

「...稜は可愛いし。幸せ過ぎて本当ヤバイ」

ふっと羚汰を見るとにやついているのとは違う優しい目をしていて、愛おしさがこみ上げる。

「...私も。幸せ」

今度は稜からも近づいて唇が重なった。
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